第30話 内装とエルネスタ王国

 昨日の夜はくっきーとお店のお話を色々して、とっても楽しかった。今日は商業ギルドで話し合いがあるから、しっかり朝ごはんを食べて元気に行くぞー!


 隣でまだ寝ているくっきーをちょっと眺めて幸せ気分を補充して、ついでにもふもふ成分も補充しよう!


(ふっふっふ……すりすりしちゃうっ!)


「きゃーくま!」


「きゃー、気持ちいいっ!」


 2人できゃっきゃと遊んでから起きて、準備をして食堂へ行く。食堂へ行くと、ジークさんとレイナさんがいるので、挨拶をしてから朝ごはんを食べて今日のお話をする。今日は2人とも一緒に行ってくれる事になった。


(2人がいてくれると心強いね!)


 朝ごはんを食べ終わったら、宿を出て商業ギルドへ向かう。商業ギルドで、受付のお姉さんに部屋に通されたので、そこで全員揃うのを待つ。


 ギルマスが来たので、ご挨拶をしていると内装をやってくれる職人さんもやって来た。挨拶を終えると、早速何のお店なのか、どんなお店にするのかの話し合いをする。


 私がやるお店は基本はカフェにしようと思っている。料理も少し出すけれど、基本はお菓子とお茶を出すお店にしたい。


 あの店舗は大き目のガラスがあるから、基本的に日の光が入って明るかった。なのでそれを生かした内装にして貰いたい。でもこの世界の内装がどこまで出来るのかよく分からないので、基本は人任せだ!


 ある程度話をしたら、実際にお店に行って細かい話になるみたいだ。よくわからないけど、大丈夫かなぁ。

 

『くふふ、楽しみくま!』


「うん、とっても楽しみだね! くっきー用の席も用意して貰おうね!」


『くふふ、嬉しいくまっ!』


「嬢ちゃんはそんなに小さいのにお店を持つのかぁ……良い店にしてやるからな!」


「わぁ、楽しみにしてます! よろしくお願いしますっ!」


 とても気の良いお爺ちゃんみたいな職人さんで、ちょっとほっこりしてしまう。そして、とても張り切ってくれているのでお任せしとこう。


 お店に着いてからも、このお爺ちゃんは凄かった! あれはこれが良い! そっちはこうだ! ともう決まっていた。でもそれが聞いているだけでもステキなのが分かるのが凄かった。


 ちゃんとくっきー用のカウンターの椅子も伝えたので作ってくれる事になった。私もカウンターの上にくっきーがいてくれると嬉しい。


 内装が仕上がるまで3週間くらい掛かるみたいなので、その間は何をしようか迷っちゃうね。


 お昼を挟んでまた内装の話を詰めて、夕方に話し合いが終わった。お疲れ様でした。



「ジークさん、レイナさん。今日はありがとうございました。おかげでスムーズに話しが進みました!」


「ふふっ、サラ様のお店とっても楽しみですね!」


「ふふっ、私もとっても楽しみです!」


「サラ様はお店が出来るまでの間は何をなさるので?」


 そうジークさんに聞かれたけれど、特に決まってないんだよね。


「特には決まってないですけど、薬草は集めに行きたいですね!」


「もしかしたら、サラ様に陛下からお願いする事がありそうなのですが、宜しいですか?」


「はい、もちろん大丈夫ですよ!」


(国王様、何かあったのかな?)


 宿に戻ると、みんなでお夕飯を食べる。お夕飯を食べながらレイナさんがご機嫌だった。


「サラ様のお店早く出来ると良いですね! とっても楽しみです! あのクッキーも置くのですか?」


「ふふっ、もちろんクッキーも置きますよ。後は軽いランチにスコーンを焼いたり、デザートのプリンとか作る予定ですよ!」


「な、何か分からないけど、サラ様がそんなに楽しそうに言うって事は美味しいのですね!」


『きっと美味しいのくまよ! レイナ一緒に食べるくまよ!』


「はい、くっきー様っ!」


「ふふっ、相変わらず仲良しさんですね~」


『ぼくの(食いしん坊)仲間くまよ!』


「くっきー様、嬉しいですっ!」


「レイナは常に居そうだな」


「もちろんです!」


「威張るな! 仕事もしろよ?」


「ジークお願いしますね!」


「お仕事終わってなかったら出入り禁止ですよ~?」


「サラ様っ!?」


「うふふ~」


「お、お仕事ちゃんとしますから入れて下さい~」


 お仕事は大事ですよ~! でも常に入り浸る気でしたね。やたら内装に力が入っていて、希望が多かったのはそういう事でしたか。まぁでもレイナさんがいると楽しそうだから、まぁ良いかな。



 お夕飯が終わって、部屋に戻ると部屋着に着替えてくっきーを抱っこする。


「今日は楽しかったね。素敵なお店になりそうでとっても楽しみだよ!」


『そうくまね~。お店が出来るまで待ち遠しいくまね』


「そうだよね~! あっ、でも国王様から何かお願いしたい事があるみたいだったよね」


『そうくまね。でもサラにって言っていたから病気の人なのかもしれないくまね』


「あっ、それは大変だ。薬草がやっぱりいくらあっても良さそうだよね」


『そうくまね。今の間に沢山集めておくくまよ~』


 そんな話をしながら、くっきーをもふもふっと抱っこしておやすみなさい!




 朝、準備をして食堂へ行くと、ご飯を食べながらジークさんとレイナさんとお話をする。


「サラ様。昨日の話ですが、やはりサラ様にお願いをしたいということで、本日陛下の所までご一緒して頂いて宜しいですか?」


「はい、大丈夫ですよ」


「ありがとうございます」


 ご飯を食べたら、宿を出て王城へ向かう。一体何があったんだろうなぁ。病気とか怪我じゃないといいなぁ。


 王城に着くといつものお部屋に通された。少し待つと国王様と宰相さんが来て話を聞かせてくれた。


「くっきー様、サラ様。誠に申し訳ないのですが、隣国のエルネスタまで行って欲しいのです」


『それはダメくま!』


「くっきー様?」


『サラをいじめたあの国には行かないくま!』


「まって、くっきー。隣国とは言ったけど、フェリク王国ではなかったよ?」


『くま?』


「フェリク王国へは私も行って欲しいとは言いません! アレクシス王都から北東にエルネスタ王国があるのですが、そこに行って欲しいのです」


『それなら良いくまね』


「どうしたんですか?」


「それが、エルネスタ国王が病に倒れたらしく、病気を治す薬がないか探しているという情報が入ったのです。今のエルネスタ国王が亡くなると、フェリク王国と戦争が始まるかもしれないという事でサラ様にお願いしたいのです」


(それは大変な事になっているんだね)


「行きます!」


『行くくまよ!』


「くっきー様、サラ様。ありがとうございます!」


「戦争になったら大変ですし、病気と聞いては行かないわけにはいきません」


『くふふ、ぼくも付いて行くのくま~!』


 国王様から書状を預かって、このまま出発する事になった。護衛にジークさんとレイナさんが一緒に来てくれる事になった。


「ジークさん、レイナさん。すみません、勝手に決めてしまって……」


「ふふっ、サラ様。私達は騎士ですから、命令があればどこにでも行くのですよ?」


「もちろんお供致します、サラ様のお好きなように行動なさってください」


「2人とも、ありがとうございます。またよろしくお願いします!」


 決まったので後は歩きながら話して、エルネスタ王国へ向かおう。まずは北門を出てから北東に進んで行くとエルネスタ王国との砦があるらしい。まずはそこまで行こう!

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