クガネ、シロガネ、クロガネ&金属名応用


 古代において、私たちの良く知る金属たちは軒並み素晴らしい名前を持っていたことをご承知でしょうか? 銅はアカガネ、鉄はクロガネ・マガネ、銀はシロガネ、金はクガネ・コガネ。ちなみに鋼だけは、古来からの名前を引き継いでいますね。かっこいい。

 

 さあ、せっかくこれほどまでに素晴らしい先例があるのですから、例えばあなたのファンタジー世界にいろいろな金属を導入することができますね。例えば

岩金いはがね:岩のように、非常に固い。

天金あまがね:天界から降ってきたような、七色に光る金属。ただし脆い。

玉金たまがね:丸い形で採掘される。最高の硬度を誇るが、その分加工も困難を極める。

炎金ほがね:すり合わせると閃光を発する。旅人はこれを用いて着火させる。火打石のようなものだが、それよりも火花は大きい。魔力があるのではないかとのうわさ。

御金みがね:鈍く、紅に光り輝く金属。希少価値が高く、みかどの身の回りのものにしか使用されない。これの加工品は、一般人が持っているだけで処罰の対象となる。


 とかどうでしょう。ちなみに「玉金たまがね」の玉、あるいは御金みがねの御は、それぞれ接頭辞で、ほかの言葉にもよく使われます。玉は「きれいな、素晴らしい」とかいう意味で、玉藻、玉鬘、玉虫などに。御は「天皇の」くらいの意味で、御軍みいくさ=官軍、御殿みあらか御行みゆきなどに。こうしたよく使われる接頭辞や、また炎金ほがねの炎のように語をくっつけるのも楽しいですね。ちなみに語生成の技法については最初のほうに説明しています。

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