第53話 まぁ生きてりゃ色々あるよね



「はーい、皆さん。こんばんはぁ」


「こんばんは」


「・・・・なんでアタシ達がここに居るのよ」


「なんで、と言われましても」


「てっきり前回で出禁くらうと思ってたのにぃぃ」


「何か予定でもあったんですか? 」


「ギクッ」


「また判りやすい前フリですね」


「な、な、な、何を言っておいでだい」


「どもってます」


「チッ」


「舌打ちしないで下さい」


「予定はあったんだけどダメになっちゃったのよ」


「また、何かに忍び込んでいたんですか」


「しゃーない、ぶっちゃけるか」


「ぶっちゃけて下さい」


「OMOTENASHIに忍び込んで月に行こうと思ってたのよ」


「な! それじゃ月面着陸できなかったのは貴女の・・」


「あ、あそこにグレタ・トゥンベリさんが! 」


「え、どこに? 」


「口ふさぎパーンチ! 」


「ぐはっ」


「やれやれ、危ないトコだったわ」


「・・・・・・」


「ん、ちょっと。どうしたの」


「・・・・・・」


「あら、ヤダ。また心臓とまってるよ。ホントによく心臓がとまるヤツね」


「・・・・・・」


「皆様。少々お待ちください」



1時間37分54秒経過



「はっ、此処は何処 ? 私は誰 ? 」


「あら、蘇生したみたいね。さすがアタシの蘇生術はバッチリね」


「・・・・何かあったのですか ? 」


「べっつにぃ。何も無いわよ。知らんけど」


「露骨に怪しいのですが」


「もう良いわよ。このパターンも飽きてきたし。ちゃっちゃと始めましょ」


「はぁ」


「って、なによ! このタイトルは☝」


「今回はリハビリでフリートークだそうです」


「リハビリ ? しょうが無いわね」


「あれ ? 激怒しないんですか」


「だってアンタの心臓とまるパターンは、もう使っちゃったし。アイツに貸しを作っとくのも良いかな、って」


「貴女でも成長するんですね」


「うっさいわ。で、何からやるの」


「そうですね。中国の反習〇平デモとか」


「あぁ、アレね。そりゃ、あれだけゼロコロナ政策とかで都市封鎖をしまくってたらサスガに頭にくるわよ」


「第2の天安門事件か ? と言われていますが」


「うーん、今回のデモと天安門事件は根本的に違うのよ」


「何がですか ? 」


「1989年6月3日から4日に北京の天安門広場で行われた弾圧は主に民主化を要求する学生達が中心だったのよ。つまり明確なイデオロギーがあり、場所も天安門だけに限られていた」


「ふむふむ」


「でも今回は都市封鎖によって溜まっていた民衆の怒りが爆発したのよ。ウイグル自治区のウルムチ市の火災事件を発端にしてね。そして、それは中国全土に広がっている」


「そこにイデオロギーは無いと」


「明確なモノはね。ただ、ゼロコロナ政策に対する不満や怒りは民衆の中に溜まっていた。一般の民衆の中にね。彼らは自分達の生活の為、生きていく為にデモを起こしたのよ」


「あの、なぜ習〇平氏はゼロコロナ政策なんて無謀な事を ? 」


「前回も言ったでしょ。彼は無能だから明確な成果を欲しがる。ゼロコロナ政策もその1つ、ってワケよ」


「はぁ、それでこれからどうなるのでしょうか」


「うーん、それはアタシにも判らない。でも反習〇平とか反共〇党とかってプラカードを持ってデモをしてる人達の動画も拡散してるらしいのよ。こんな事はこれまでの中国では考えられない」


「そうですね」


「ただ、上にも書いたように明確なイデオロギーを持ってるワケじゃ無いから。部分的でも都市封鎖を緩めれば消滅していくかも知れない。だが、しかし」


「何ですか ?」


「民衆が習〇平の政策に不満を持っているのは確かだから。これも前回に書いたけど土地バブルの崩壊から始まって経済はかなりヤバイ事になってるから富裕層以外は皆、不満は持ってると思う。マジの富裕層は国外へ逃げ出し始めてるし。共〇党政府が対処を誤ったら、ひょっとしてひょっとするかも」


「なんか曖昧ですね」


「だって、これからどうなるかなんてアタシには判らないもん。後はアタシが注目してる事があるの」


「何ですか」


「エジプトで開かれてたCOP27で明確な気温目標が示されなかったらしいのよ」


「どういう事ですか」


「つまり、これからも化石燃料を使いますよ。って事よ。そんなの当たり前の事なのに。そうしなきゃ経済が回って行かないんだから。特にアフリカなどの途上国は。アタシはそもそもCO2削減は疑問視してるわ」


「うーむ」


「だって1番たくさんCO2を排出してる中国が参加してないじゃない。アメリカもだけど。結局は環境ビジネスでお金儲けしてる連中がいる、って事よ。太陽光パネルはウイグル自治区の強制労働で作られてるらしいし、作るのに膨大な電力を使って多くの有害物質を出してるみたい。それをアメリカに輸入禁止されたから日本に売り込んでるんじゃないの」


「えーと。これはあくまでも個人の意見です」


「はい。アタシは単なる一般市民で如何なる団体にも所属しておりません。続けるわよ、しかも耐用年数が限られてるから使用できなくなった太陽光パネルを何処にどうやって廃棄するのか? って問題もあるわ。有害物質を出すから」


「うーむ。何とかならないのですかね」


「難しいと思う。環境ビジネスで既得権益を得ている人達が日本にも沢山いるから。名前は出せないけど。サイレント・イノベーションは既に始まってる」


「これから日本はどうなるのでしょう」


「だから考えるのよ。アタシ達みたいな一般の日本国民が。1人1人の皆が。これからの日本の、いえ世界の運命を決める為に」


「あの、もうその辺りで」


「あっ、そうね。これを読んで不快に思われた方には謝罪いたします。申し訳ありませんでした」


「あ、そう言えば」


「何よ」


「前半に名前が出て来たグレタさんもCOPには参加されていたのでしょうか」


「彼女は環境活動家から共産主義活動家になったみたいだから締め出されたみたい」


「お後がよろしいようで」








おしまい




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