第33話 シドニアの騎士 これぞSF!ラブコメも有り


「はーい、皆さん。おはようございます」


「おはようございます」


「あー、残念だわぁ」


「どうしました ? 株で損でもしましたか ? 」


「なんでやねん!ちゃうわ!」


「いえ、日経平均株価がかなり下がりましたから」


「フン!株なんて3万円代の時に売り払ったわ!」


「ほう。売り抜けに成功したのですか」


「まぁね。前にも言ったでしょ。このご時世に平均株価が3万円はおかしいって」


「言ってましたね。少しは反発してるようですが」


「どうかしらね ? これから株価が上がる材料なんてあまり無いでしょ ? 」


「そうですね」


「機関投資家がどう動くかだけど。株なんてギャンブルみたいなもんだし」


「それで」


「何よ ? 」


「どれくらい儲かったのですか ? 」


「ヤラシイ言い方するな!元本が少ないんだからビックリする程じゃ無いわよ!」


「でも儲かったんですよね ? 」


「まぁ、ソコソコわね」


「私も共同出資してましたよね ? 」


「あら ? そうだったかしら ? 」


「とぼけないで下さい。私の取り分は確か」


「さぁ、本題いくわよ!」


「待てーい!」


「えーと、今日のタイトルは ? 」


「人の話を聞けえ!」


「うるさい!」


「ぐはっ」


「念の為にもう一発」


「うがっ」


「気絶したわね。記憶が飛んでれば良いんだけど」


「・・・・・」


「皆様。少々お待ち下さい」


1時間経過


「はっ!私は何を!」


「あら、気が付いた ? 」


「えーっと、何で私は倒れているのですか ? 」


「さぁ ? これが始まる前に急に倒れたのよ。憶えてないの ? 」


「はい、全く」


「イェーイ!」


「何でガッツポーズなんですか ? 」


「あ、あら。心配してたのよぉ」


「・・怪しい」


「コホン。本題行くわよ」


「はぁ、今日はシドニアの騎士ですか」


「そう。それのアニメの完結編の上映が延期になっちゃったのよ」


「例の緊急事態宣言の影響ですか ? 」


「そうみたい。楽しみにしてたのに。まぁ、来月には上映開始みたいだけど」


「そんなに面白いのですか ? 」


「面白いわよぉ!アニメも原作のマンガも」


「面白いポイントは何ですか ? 」


「そうねぇ。アタシが気に入ってるのは、ちゃんとしたSFになってるトコ」


「ちゃんとした、って言うのは ? 」


「SFが何の略か知ってる ? 」


「えーっと、サイエンス・フィクションですか」


「そう!サイエンス!つまり科学的って事なのよ。それが」


「何か問題でも ? 」


「スターウォーズの頃からかしら ? SFがスペース・ファンタジーになっちゃったのよ!サイエンスが抜けちゃったの。特に日本では」


「うーむ」


「例えば宇宙空間で巨大な推進物が前進方向を変えるとするわ」


「はい」


「前進方向に向かって右に進路変更しようとしたら推進物の左側からロケット噴射みたいなことをしなきゃいけないわよね ? 」


「そうなりますね」


「そうなると強力なGが発生するのよ。ガンダムで例えると敵の攻撃を避けるためにホワイトベースが急激な進路変更をするでしょ ? 実際にあんな事をしたら艦内はもちろんホワイトベース自体が破損するわ。コロニー落としだって、あれだけの質量のものを地球に落下させて地球がまだ生物が生存できる環境なのが信じられない。科学的にはね」


「それはロボットアニメですから」


「そう言う事。アタシはガンダムは優れた作品として評価してるけど、SFだとは思って無いわ」


「シドニアの騎士は違うのですか ? 」


「物語はシドニアと言う直径6km全長30kmくらいの超大型宇宙船が舞台になってるんだけど。普段は人工重力によって船内は地球と同じ1Gに設定されてるわ。それがシドニアが急に進路変更しようとするとそれ以上のGが発生するから船内の人は吹っ飛ばされて船内の建造物に叩きつけられたりして死んじゃうのよ。それを防ぐために自分の身体を建造物に固定する為のワイヤーを持ってるわ」


「なるほど。ちゃんとサイエンスをやっているのですね」


「他にも、限られた食糧で生きて行く為に人間が光合成をしたりとか。様々な細かいところでアタシみたいにひねくれた人間でも納得できる世界観を作ってる」


「ふーむ」


「勿論、これらは原作のマンガを描いている弐瓶勉さんが全部作った世界観だけどね」


「他にも推しポイントが沢山あるのですね」


「それはもう!登場キャラ達も個性的で丁寧に描かれているし。本格SFなのにラブコメ要素もあるのよ!あー、この作品をきちんと説明するには文字数もアタシの文章力も全然足りないわ!もどかしい」


「まぁまぁ。これを読んで下さった方々が少しでも興味を持って頂ければ」


「そうね。割とメジャーな作品でもあるしね。読んで頂いてありがうございました」


「ちょっと、何を勝手に締めようとしてるんですか」


「へ ? 」


「株の収益の私の取り分は」


「忘れて無かったんかーい」





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る