何故皇子様は、そばにおられるのですか?

さち姫

第1話何故一緒に寝ているのでしょう

「おはよう」

微笑みながら、私には挨拶する、その方に、ただ、ただ、寝起きながらも驚いていました。

「・・・おはようございます。・・・ナーバ皇子」

オウム返しのように答えるのが、精一杯だった。

何故なら、目覚めて隣にいるのはこの国の皇子様。その方と一緒に寝ていたからです。

これが、恋人同士と言うのなら、御一緒でも、問題ありません。

ですが、私は、確かに貴族の娘ではありますが、接点が何もありません。

お話ししたのも、社交辞令の御挨拶だけ。

個人的に、お話し事はありません。

それなのに、何故、御一緒にベットにいるのでしょう?


「そんなに心配しなくても大丈夫だよ」

皇子様はベッドから起き上がりながら、そっと、私の頬を触る。

「今日から、君は私の身の回りの世話をしてくれたら良いだけなんだから。サリア」

すみません。

そんな微笑みながら言われても、やはり意味が分かりません。

私も起き上がる。

夜着のままだ。

昨日自分の寝台に入ったままの格好。

つまり、屋敷からここに連れてこられているということは、相手も相手。

お父様も、お母様も、御承諾の事なんだと思いました。

皇子様の命令なら誰も逆らえません。

ですが、やはり意味が分かりません。

「私に・・・ナーバ皇子の身の回りの世話を出来る自信がありません・・・」

何故なら、私の身の回りも、何時も召使いがしてくれます。

自分で出来ることは少ないのです。

「いいえ。貴女にしか出来ません」

はっきり答える皇子様に首を傾げた。

どうして、そんな不思議な目で私を見るのですか?

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