キネマの屋根裏(映画と日常)

tori tori

第1話 人選ぶ 修司の世界 濃い過ぎる(書を捨てよ町へ出よう)

初めまして。

tori toriです。

思えば、私が本を読んだり、書くことが好きになったきっかけは、寺山修司の本と出逢ってしまったから。

皆さんにも、きっと本を好きになるきっかけを作ってくれた作家さんがいらっしゃるでしょう。


その寺山修司が、監督、脚本の映画「書を捨てよ町へ出よう」

何事も、一発目が大事って言いますが、第一話目にこれを持ってきて良いのかしら?もっと可愛くておしゃんな感じが、人当たり良いのかしら?とも思いましたが、大好きなパンチあるものを一発目に持って来てしまいました。

勿論、濃すぎて、好き嫌いがはっきり分かれるし観る人を選びます。

かなり極端な事を書いてしまいますが、ご了承を。


例えば、自然災害や地球滅亡、宇宙人侵略などの映画を観て、手に汗を握ったとしても、いつだって私たちは安全な場所で映画を観ている。

映画に惹きこまれても実際、スクリーンの中へ引き込まれることはない。

この映画は、安心して観ていると、いきなり主人公の青年から、挑発を受けるのである。スクリーンの外側の私たちを、なじり、挑発し続けてくる。

そして観ている間に、主人公の青年が自分とすり変わっている感覚になってくる。

日本人の象徴のような青年。その情けない姿に自分を見たら、アウトだ。もう傍観者ではなくなる。


書を捨てよなんて言われたら、本好きはぎょっとするでしょうが、映画が終わり、灯りがつけばスクリーンは只のスクリーン。眺めていたって、何が起こるわけでもない。

けれど、私たちの物語は続いていく。

映画は始まれば終わる。人生も同じ。

けれど映画の中の物語はいつだって同じだけれど、私たちの人生はそうではない。

自分の物語を演じる為には、時に町へ出ていくことも必要なのかもしれない。


まぁ・・・出不精なんですけどね(笑)


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