第2話

 それから、何日かすぎた日のことです。親ガモについて泳いでいるカモの子どもたちは、3羽になっています。どうしたのでしょう。迷子になったわけではありません。そうです。小さい子どものカモは、ほかの動物の餌食になっていたのです。それでも、親子のカモたちは、いつものように暖かい日ざしを浴びながら泳いでいたのです。だから、近所の人たちは、まだ、子どものカモの数がへっていることには、だれも気が付いていなかったのです。でも、近所の人たちがカモの親子に危険が迫っていることに、気がつく日がやってくるのです。

 それは、数日後のことです。その場所は川の流れが大きく曲がっている内側にある土の所です。流れがゆるやかになっているので砂や土がたまってもり上がっている所です。水は流れてこない所です。その代わりに背の高い草がおいしげっています。そうです。ここは、親ガモが卵を産んで温め子どもたちを泳げるようになるまで育てたところです。夜にはカモの親子が休むところでもあります。

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