第11話 『御代』の逆鱗に触れる その1




昨晩、断罪ギロチンが出没したらしい。





壬屋子ちゃんと修二君が討伐に向かったものの、返り討ちに合いかけた。



それを・・・

例の六畳の弟子が颯爽と現れて、

あっさりと断罪ギロチンを斬り捨てたそうだ。




壬屋子ちゃん達は今現在、夜守の屋敷の診療棟のベットで寝ているはず。



私はお見舞いの品を持って夜守の屋敷の廊下を歩く。



(これは・・・壬屋子ちゃん、荒れてるだろうな、自分が断罪ギロチン討伐するんだーって息巻いてたし、横取りされたーって叫んでるかも)


心配をよそに廊下の向かい側から壬屋子は歩いてくる。




「よっ」




「あれ、壬屋子ちゃん、寝てなくていいの?」


「平気平気、もう十分回復したわ」



ケロッとした顔をして外へ向かう様子だ。

「あれ、外出?、どこか行くの」




「例の六畳の弟子、すっごいの」



へ?



「あいつ仲間にしましょ!」



余りに素っ頓な発言に目を丸くする。




「壬屋子ちゃん、あんまり勝手が過ぎると『御代』に本気で怒られるよッ!!」





「大丈夫、大丈夫、穢れの討伐が第一優先だもの、『御代』だってわかってくれるわ」





という様子で廊下を走り去る。

嫌な予感しかしないが、

ああなった壬屋子ちゃんを制止できるとも思えなかった。





しかも・・・





これは・・・

壬屋子ちゃんラブの修二君が、また気絶してしまう案件ではないだろうか


心配しながら修二の診療ベットに行ってみると

案外元気そうというかニコニコしている。




「いやー昨日の俺は頑張ったなー身を挺して壬屋子を庇ったんだし、またポイント稼いじゃったなー」




「・・・」



なんでそんな気楽なの?

壬屋子ちゃん他の男を誘惑しに行っちゃったよ?


などという言葉が、

喉元まで出かかったが、ごくりと飲み込んだ。





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