うきき。

言いたいことは色々あるけど、とにかく夢中で全部読んでしまいました!ということを主張したい!
心を揺さぶられて「レビューしなくては」と思ったのは生まれて多くない機会なので、素人の月並みな感想だけ書かせてください。

ぶっちゃけ何を書いてあるのかは全然分かってないです。失礼かな、でも読んだら最初は絶対そう思うと思うんです。

前提として、私は性的表現って苦手なんですね。同作者の『君のために泳ぐ詩』から流れ着いて来たこの民話集も、最初に見た時は気が狂いそうだった!それかもう狂ってたんじゃないかな……性的表現のオンパレードです。それも生々しく。かつ非現実的に。非現実的だからいいわけじゃないですよ、読む側からしたらたまったもんじゃない。
一度目を通しただけじゃ「ああ、この人は変なことをやろうとして変なことをやってるんだな」くらいにしか思わない荒唐無稽さ。読了後だとむしろ自覚があってやってくれてないと怖くて眠れないんですが。

でもそういう表面的な部分をクリアして、しっかり中身を読んでみると、なんとも言えない底知れなさ?不安感?と同等の満足感?言葉さえクリーンにすれば古い幻想小説のような雰囲気に満たされ(ると思い)ます。
宇宙のflash!!ってどういうことだ、と聞かれたら全然分かんないし考えてないんですけど……地球も終末期の民話集だと言われたら、むしろ性的文脈とか独特の読みにくさとかにも納得がいくように思います。3億年後の地方民話をそれから500年後に集めて編纂した、みたいな。自分の知らない世界の古の民話とか教典の一節だと思って読めば分か、るようにはならないかなぁ。

正直、言葉選びもさながら著者はメチャ賢い人なのかなって印象です。ワードが不適切なだけで(あるいは独特すぎる宇宙観の屈折のせいで難解げに読めるだけで)、感性は極限までまともなんじゃないか?現代ファンタジーと銘打ちながらハイセンスなSF作品集だったんじゃないか?と疑ってます。
この作品がどこでどんな評価をされているか、これを書いている時点では全然把握していないのですが、この作者(特にこの作品群)は決して放っておかれるべき存在ではないです!
いや、むしろ放っておかれるべきなのかな……



『猛る重力のピストル』が特に好きかな。
ちょっとばかりお洒落な旅の風景です。あとは……中盤のそれ、してやられましたね。
にーら笑にーら笑