今までいじめられていた俺、クラス転移後チートスキルをもらい無双ハーレムを築く

ローく

第1話

 俺は学校で授業を受けていたはずだがいつの間にか洞窟の中にいた。


 授業中分からなくて寝ている時に突然体が浮く感覚に襲われ、心地悪い体験をした直後に体を地面に叩きつけられた。そして目を開けたら暗闇の中に居たのだ。


 俺はこれから先どう動こうか悩み、周りも考え込んでる人や相談している人らが居る中、1人が声をあげた。


「とりあえずグループに分けてここがどこか探索しないか?終わった後戻ってくる場所はここでいいか?」


 そう声をあげたのは、クラス委員の岡島直樹だ。周りも概ね同意してるのでグループを作る事になった。


「よう葉山、一緒にグループ組もうぜー」


 誰とも組めない俺に声をかけたのは高原蓮治だ。誘ってくれること自体は嬉しいがいつも殴られ、たかられ、パシられる。だから俺は断りたいが拠点を作るといって残る女子とも居ずらいので俺は付いていくことにした。


高原の後ろに付いて行き、少し歩くと同じグループの人が居た。


「あっ、キモオタじゃん。じゃああんた先頭ね」


 俺を蔑称で呼ぶのは蓮菜彩だ、高原の彼女で顔だけは可愛いが性格や頭が悪い。普段高原と一緒にいる四人と一緒に洞窟の奥へ向かうことにした。


 しばらく奥に進んでみるとそこにはゼリー状の動く奴が居た。


「これはスライムだな」


 俺がこう呟くと周りも首を縦に振った。


「じゃあよろしく」


 蓮菜は一瞬で俺に面倒事を押し付けてくる。そのスピードは称賛に値するがこんな時にやって欲しくない。

 まぁ一人でも大丈夫だろうと慢心した俺はスライムに対して蹴りをお見舞いしてやろうかと思った。足を振りかぶりそのままスライムの体を真っ二つにしたと思ったが、感覚が無いどうやらスライムが避けたようだ。


「おい葉山どけ!」


 高原は声を荒げ、俺を後ろに突き飛ばしいつのまにか拾った棒切れでスライムを叩いた。一瞬で真っ二つになったとその体は再生して元のスライムに戻ってしまったのだ。その後高原は気が狂ったかのようにスライムを何回も叩いて動かなくなるまで叩いた。


「スライムをどうやって倒したの?」        


 グループのメンバーが聞いていた。


「スライムを何回も繰り返して叩いて、体が再生するスピードを追いつかないようにさせたんだよ」


 脳筋が考えるような作戦でスライムを倒したらしい、俺はバカだなと思った。もっと簡単な倒し方があるのに。


 いつのまにか高原が先頭になり洞窟を進んでいくと、洞窟の出口があり、その先には渓谷があった。渓谷は底が見えないほど暗く、落ちたら確実に死ぬ深さだった。


「じゃあ洞窟から出られたこと、その先に渓谷があったことを報告しに行くから拠点に戻るか」


 高原がそう言い渓谷から背を向けた瞬間、俺は真っ正面から蓮菜に押されたことでバランスを崩し、崖から足を滑らせそのまま落ちていった。


「わー!死ぬー!」


 俺が叫び声をあげ人生を諦めると走馬灯と共にまわりの音や声も聞こえてきた。高原と蓮菜の言い合っているような声が聞こえ、自身の体が風を切る音や、下からは水音が聞こえてきた。


 俺は激しく体を打ちつけられる痛さと、その後体全体に包まれる感覚から水の中にいることが予想出来た。浮き上がると少し先に陸地があった。


「あんなとこに温泉がある。なぜなんだ?」


 陸地から上がり少し進んでみると、温泉と昔が豪華であったことが分かる壊れかけの祭壇があった。


 そこで服を洗い、体を休ませていると、体の傷は全て治り安堵したところで、巨大な存在が顔の前に現れた。


「ここに人が来るのは久しぶりだね、貴様はだれだ?」


 巨大な存在が話しかけた。俺は話しかけられたことに驚きながら、その存在が何なのかを確認するために顔を動かした。


 大きなドラゴンだが水に包まれていた。その姿に驚きドラゴンにあることを聞いてみた。


「私は葉山健斗です。私から質問します。あなたはだれなのでしょうか?」


 ドラゴンは一瞬驚いたように見えたが、取り繕い次の言葉を発する。


「私の伝説を知らないのは珍しいな。せっかくだから教えてあげるよ」


 ドラゴンもといカリア・マリン・カフリティスは自分の自慢話を繰り返していた。聞き流してる時に興味深いことを聞いた。


「その証明に貴様の能力(キャパティー)を教えてやろう」


 俺はキャパティーとは何かを疑問に思ったがそのまま聞いてみる。


「貴様のキャパティーはアイテムボックスだ。何十年、何千年だって物を保存出来るし、ボックス内の時を速めたり止めたりすることも出来るな。量に制限は無いよ」


 俺はあることを思いついたが今はアイテムボックスの使い方を教えてもらっている。


「中々覚えるのが速いな。さすが後継者だ」


 俺はカリアに魔王の後継者扱いをされている。まぁ思いついた計画をすれば問題ない。


「そのアイテムボックスは時を速めることも出来るらしいな」


「そうだが何か?」


「あなたは千年くらいしか生きてないですね。なら千年くらいボックスに閉じ込めれば大丈夫ですよね」


 カリアの静止を勧める声も俺には聞こえない、アイテムボックスを開き閉じこめる。


 (閉じこめたら、時間を進めるか進めないかを決めて念じる。集中して早く終わらせる)


 このことを意識して閉じ込めることが出来た。本当に出来てるかどうかカリアを出してみようと思う。


「お願い、わかったから、服従するからこれ以上やめて」


 どうやら閉じこめることに成功したらしい。俺は一つ質問をしてみる。


「俺にまだ教えるところってある?」


 俺が質問をするとカリアは慌てて返答した。


「ある、ありますから、教えるから」


 カリアに身体強化のキャパティーをかけてもらい、俺にはあいつらを復讐したい気持ちが強くなった。


「おい、カリア俺を上に乗せて行けないか?」


 カリアはすぐできると答えてくれた。そういってくれて助かるよ。


「じゃあ復讐するぞー」


俺の冒険はこれから始まる。

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