第27話 勃発! 精神異常者 対 元暴走族!! ガチンコどつき合いじゃい!!


 前回までのあらすじ


 自身が主宰する舞台の本番が近づいているのに震災の火事場見物にいくわ、関係者での打ち合わせた決定事項をひっくり返すわ。もはや人間的に問題外な行動が留まらない役者A。

 そして、それに対してついにキレちまったGhost!


 居ても立っても入れらなくなって、打ち合わせを無視して外にタバコを吸いに行ったGhostだが、後を付いて来た絵師A(元暴走族副ヘッド。つおい)とストレス発散目的でどつき合う事に!!




〇さぁ、ここでGhostと絵師Aの戦闘力をご紹介するよ! ステータス、オープン!!


 さて、拳を固め、軽くストレッチをする二人。

 ちなみに、この時、役者Aの親が所有しているクソボロいアパートで打ち合わせをしていました。ボロアパートの裏は空き地になっていましたので、丁度良いので僕らのバトルフィールドとして勝手に使わせてもらう事に。

 ……それにしても、クソボロアパートとは言え、こういった土地や家を数件持っていた役者Aの親……アイツ役者A、ただのボンボンじゃねぇか!




【Ghostの戦闘力。ババアアァァーーン!】

◎基本ステータス

・身長175㎝

・本来は65キロ前後がベスト体重だが、当時は50キロ前半。

 断薬による離脱症状と、お金が無くてご飯が食べれなくなってきていたので、当時はガリガリ。減量失敗したボクサーみたい。

◎格闘スキル

・空手経験者。

 流派は和道流。いわゆる伝統派空手。オリンピック競技にもなったやつ。ちなみに現役時代、帯の色は白帯だけどインターハイ一つ手前の大会まで出場。

・剣道二段。

 試合で勝った事は無いのでペーパー二段。

・デスメタル

 耳元で叫ぶとうるさい!

◎防御スキル

・合気道を少々

・ブラック企業サバイバー

 不条理に対する耐性が通常の200%

・離人症

 興奮すると現実に対する実感を失う症状。発動すると【痛み】【恐怖心】が無効化! ……ただの病気なのでお医者さんに行きましょう。

◎特殊能力

・各種精神疾患の影響でスタミナに強烈なデバフ!



【絵師Aの戦闘力。ドドオオォォーーン!】

◎基本ステータス

・身長180㎝越え! デカい!

・体重100キロ近く! デカい!

 ちなみに身長が180㎝超えると、ちょっと筋肉が付けば体重は100キロ近くまで増える物なのですよ。つまり、この100キロ、脂肪ではない! 全て筋肉!!

◎格闘スキル

・空手経験者。

 流派は極真空手。いわゆる実践派空手。Kー1などで活躍している選手多数。絵師Aは関東地区で優勝経験あり。つおい。

・エロい絵が上手い。

 ペンは剣より強し!

・元ベーシスト

 ベーシストの握力スゴイ!

◎防御スキル

・全身筋肉の鎧

・回し蹴りで単車を廃車にする肉体強度。

◎特殊能力

・かつての手下を40人ほど招集できる。リアルな数字。これにはさすがの僕も素直にドン引き(笑)


 はい。

 この時点で僕が勝てるわけありません(笑)

 まぁ、当時の僕はストレス発散のために身体を動かしたかっただけなので絵師Aの胸を借りる形で、空手で言うところの実戦形式の練習、組手をすることにしました。

 とは言え流派が違うのでザックリとしたルールを決めねばなりません。

 打撃は寸止め(ま、フツーに当たるんだけど(笑))、回し蹴りは振り切らない、肘、膝、頭突きは無し。後はフィーリングで、と言った感じで、やりながらテキトーに決めていく。

 戦いというか、ジャズで言うセッションのような物ですね。




○そして戦いのゴングな鳴り響く。


 と言った感じで絵師Aとの組手が始まったのですが、結果は言うまでもなく僕の敗北。いや、勝てるわけないじゃないですか、こんな化け物(笑)


 組手の最中、振り下ろされるような上段蹴りが首元で寸止めされること、三発ほど。


Ghost

(あ、オレ三回死んだ(笑))


 僕の放った上段蹴りも見事に捌かれ……と言うか、いつの間にか体が固くなっちゃって蹴りにキレがない!


 色んな意味でクソ雑魚ナメクジになっていた僕でしたが久しぶりの組手と運動のお陰で、さっきまでの役者Aに対する怒りもだいぶ収まっておりました。

 と言うか、バテて息も絶え絶え。怒ってるどころじゃない。そうかこれがアンガーマネジメントの真髄か!!


Ghost

「あっはっは。やっぱ俺のぼろ負けだったね」


絵師A

「いやいや、Ghostさん、今でも暴走族5、6人くらいなら倒せますよ」


Ghost

「負けた相手にすかさずフォロー!? こやつ、人として大人!!」


 そんな感じで爽やかに組手は終了。もはや気分的にはもはや家に帰って、風呂入って、寝てしまっても良いんじゃないか? と言うくらいすっきりした気分だったのですが、ふと後ろを振り向くと役者Aがドン引きした顔でこっちを見ていました。明らかに僕と絵師Aの組手にドン引きしている様子。まぁ、結構アクロバティックな技も出してたもんなぁ。


役者A

「そ、そろそろ打ち合わせの続き良いかな?」


 それから打ち合わせ再開なのですが、当然ながら場の雰囲気は最悪(/・ω・)/




○オレ、半年前に脚本を渡したよなぁ? オォン?


 さて、この打ち合わせから二週間経てば本番。イベント全体の準備も大切ですが、肝心の芝居のクオリティも上げていかないといけません……が、この日の数日前まで役者Aは東北へ火事場見物に出ていました。ゆえに、まったく芝居の稽古が出来ていないのです!


役者A

「大丈夫、大丈夫。旅先でも一人で稽古できるから。一人芝居の強みだね!」


 演劇経験が一切なかった当時の僕は、役者Aのこの言葉に騙されていたのでした……と言うか騙されていなかったとしても、このアホ役者Aは無理にでも現実逃避の旅に出たのでしょうけれど。


 そして打ち合わせ終了後、僕と役者A以外のメンバーは帰り、僕らは残って芝居の稽古と演出を行う事にしました。


 ……行う事にしました。


 ええ、ええ、演出をしようと思っていたんですよ。

 セリフ覚えたり、役作りしたり大変だろうから、およそ半年も前に脚本渡して万全を期していたのですよ、その上で自分で作った脚本を読み込んでいたんですよ、僕は。

 けれども肝心の役者A、



 ここまで来ると信頼と実績の不甲斐なさです。うん、知ってた! 役者、辞めちまえ!!


 しどろもどろになりながら芝居らしき動作を見せる役者A。


 すでに怒りのピークはとっくに超えて、不機嫌な顔をする事もなく、声を荒げる事もなく、ただただ白けた視線を役者Aに送ってるGhost。


 Ghost

「脚本、半年も前に渡したよね? 旅先で練習してたんじゃないの?」


役者A

「……」


 正面からキレられると「なに怒ってんの?」的なリアクションをする役者Aですが、こういった白けた態度を取られると耐えられないようで、知り合ってから始めて落ち込んだような、焦ったような表情になる役者A。

 とは言え、この日、これ以上練習したところで上達は見込めないだろう、と言うくらい僕の視線は冷めてしまっている。


Ghost

「今日はこれ以上やっても無駄だから。2日後までに脚本覚えといて」


役者A

「……わかった」


 ほとんど目も合わせる事無く僕は帰ったのですが、これから本番に向けて特訓が始まるのでした……と言うか普通の劇団はもっと真面目に本気で練習に練習を重ね、それが普通の事なわけですから、特訓でも何でもないんですけれどね。


 そして、今回激怒プンプン丸の僕の影で、マジでヤバい人を怒らせていた役者A。その怒らせた相手と言うのが……


 闇の皇帝、ミュージシャンAさん!!


 雰囲気は怖いけれど決して怒りを面に出さない彼が静かに怒りを見せるのですが、それはまた次回!


 to be continued(/・ω・)/

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る