アスモデウス公に事あり

ああ サラよ


君の美しい首筋くびすじ


いっそこの手を差し出して


ひとおもいにめ上げたい


地獄じごくの火よりもなおゆる


あつおもいをふう


君の命をわがものに


さあ うたげの時間だよ


天国てんごくよりもさわがしく


宇宙よりもなお広い


ダンスホールは目の前だ


おいで そして お手をどうぞ


アムドゥスキアよ ラッパをかなでよ


マレブランケの楽隊がくたい


いざ 奈落ならく饗宴きょうえん


つめたい君のまなざしを


こごえる君の手のひらを


わたしがぬくめてあげようぞ


このえたぎるおどりでね


よりも楽しい晩餐ばんさん


はかより静かなベッドの中で


さあ おいで


時は止まった


いざ 瓦礫がれきの教会で


むくろも花に着飾きかざって


永遠とわに終わらぬしとねにて


めつすがめつ 安らかに

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