Disc.02 - tr.07『幽霊部員とアクションサウンドとRE-X』sleeve note

「いやー、今回はまんまと騙されちゃったねー(^^;」

「……これだから女って奴は信用ならん……まったく……」

「いい加減になさい響一郎、それも一種のセクハラですわよ」

「まぁ、あの2人は見た目がほぼJSだからな……初見で見誤るのは無理も無いが」

「ちょいちょーい副部長、それ何気にディスってね?」

「ミサミサ、ロリは正義。20年後にはボクたちしか勝たん」

「うふふ~~2人とも可愛いから良いのよ~~」

「「……そういえばラスボスがいた……(( ;゚Д゚)))」」


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「ところで雨音くん、ミサちゃん先輩が持ってきたカセットが渋いチョイスって言ってたの、どういう意味?」

「渋いと言うより、可愛い感じよね~~色使いもパステル系でハーフもシックな色だし~~」

「自転車のスポークのような大きめのハブも良い感じだな。色使いも相俟って'80年代感が溢れている」

「見た目は小洒落た感じですわね。渋い、とは程遠いようですけど、響一郎?」

「前に、全盛期のカセットにはグレードが沢山あったって言いましたね?」

「うん。大体4種類くらい…だっけ?」

「あぁ。ノーマルで概ね一般用のLNローノイズ、音楽専用のLHローノイズ・ハイアウトプット、更にそれの上位機種ってとこなんだが……」

「……だが?」

「その前に当時のDENONデンオンのカセットのラインナップについて言っとくと、元々は一般用のRE、音楽専用のRD、高級機のRD-Xってのがあった」

「まぁ、普通だな」

「で、後に最上位機ハイエンドのRD-XSが追加。と、ここまでは普通なんだが――」

「まだあるワケ?」

「更に音楽専用のRDの廉価版としてRD-Z、かてて加えて一般用のREの上位版として出たのがRE-Xなんだなこれが」

「……へ? 高い方の安い版と安い方の高い版って……どっちがどっちだか……?」

「実際、価格差も定価で10円かそこらだったから、店に依っちゃ実売価格が逆転してるのも珍しく無かったそうだ」

「そんなの2つも出す意味無くないか、お兄ちゃん?」

「お兄ちゃんやめい!! まぁ、丁度バブルの頃だったから、色々とイケイケだったんだよ、きっと」

「販売店を5チャンネルに拡げた自動車メーカーもあったしなw」

「余所様の黒歴史を掘り返すのは止めて差し上げろ……」

「それで、実際問題、中身はどうでしたの?」

「あると言えばあるし、気にならない人は判らんでしょうね」

「それではますます意味が解らないではないか……」

「例えば自動車でも似たような例はありますよ? パ○ソとヤ◎スとか、マ■チとノ■トとか」

「売れ筋には多品種展開する、ということか」

「そういうのもあったんでしょうね。ま、磁性体の素性が別物っぽいんで、出来ちゃったんで出してみた、ってノリかも知れませんがw」

「喩えが下世話ですわ(--#」

「へいへい、失礼致しました。で、RD-Zは音楽専用の廉価版で、テープ以外は上位機のRDやRD-Xと同等。RE-XはベースのREと同等だがハブのみ上位機のRDシリーズと同じ、ってのが差別化ポイントですかね。元々のREが一般用としては破格の性能を持っていたのもあって、実際問題、性能は誤差レベルというか好みの問題と言っても良いかも知れませんな」

「こっちがRD-Zなのね~~私は見た目ならRE-Xの方が好きかも~~」

「その辺は確信犯かも知れませんね。そのままでラベルをオシャレ系にしたlycéenneリセエンヌっていう女子向けカジュアル系の製品もありましたから」

「lycéenne……フランス語でまんまJKだな」

「こういうカワイイ系も良いわね~~」

「見た目がそうでも中身は現行品より高性能ですからね。全盛期ならではですな」

「で、結局、渋いってのはどういうことなんよ?」

「おそらくRE-Xは、少なくとも日本で公式に発売された中では史上唯一のLNローノイズの上位版ってところだな」

「他社には例が無いと言うことですの?」

LNローノイズの更に廉価版ってのは割とあるんですが、上位版を敢えて出す意義が見いだせ無いんですよ」

「確かに、それだと性能的なアドバンテージも無いだろうしな……」

「ちなみに同時期の他社の同価格帯だと全てLHローノイズ・ハイアウトプットですね。ソニーの新HF-SとかマクセルのUDI-Nとか。太陽誘電(That's)のSiは微妙なんだけど……と作者は言ってましたが」

「メタな話はやめんかw しかし、そうなると、当時のDENONデンオンのラインナップは……」

「一般用に2種、音楽専用の中級機に2種、同じく高級機に2種と、カラバリやデザインのみのバリエーションを除く完全に中身まで違うラインナップとしては間違いなく史上最多でしょうね」

「多すぎて訳が解んないよ……(´・ω・`)」


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「ところで私がさんざん雨音くんとヴィー先輩に馬鹿にされてたあのレコードなんだけど」

「あー、これな」


『ゴールデンテレビまんが大行進17』(日本コロムビア/KX-41/'74.11)


(A)『仮面ライダーアマゾン』(アマゾンライダーここにあり/アマゾンダダダ!!)/『宇宙戦艦ヤマト』(宇宙戦艦ヤマト/真赤なスカーフ)/『破裏拳ポリマー』(戦えポリマー/転身ポリマー)/『ウリクペン救助隊』(がんばれ!ウリクペン救助隊/帰ろうよランラララン)


(B)『グレートマジンガー』(おれはグレートマジンガー/勇者はマジンガー)/『がんばれ!ロボコン』(がんばれロボコン/おいらロボコン世界一)/『ジムボタン』(ジムボタンの歌/ポッコちゃんが好き)/『てんとう虫の歌』(ぼくらきょうだいてんとう虫/ぼくらそろって一週間/ななほしてんとうほしななつ)


「音源としてレアだってのは解ったけど、そのナントカ祭りってどーゆぅ意味?」

「――それは先輩としてボクが解説して進ぜよう」

 ヴィー先輩、そのドヤ顔は何ですか!?

「そのレコードに収録された全17曲中、なんと!!最多を誇る11曲が菊池きくち俊輔しゅんすけ先生の作曲になるのだ(ドヤァ」

 だから何故ドヤ顔!?

「『ドラえもん』に『ドラゴンボール』、ロボットアニメの『ゲッターロボ』『グレンダイザー』、特撮ヒーローなら昭和の『仮面ライダー』シリーズ、ドラマだと刑事ものの『Gメン'75』『キイハンター』に時代劇の『暴れん坊将軍』、辺りが代表作になるか」

「ちなみにさっきのレコードだと『アマゾン』『ポリマー』『ウリクペン』『ロボコン』『てんとう虫』を担当してる」

「ふぇ~……これ全部、同じ人が作ったんだ……凄いね……」

「日本のアニメ・特撮を音楽面から支えた大黒柱の1人と言ってもいいからなぁ」

「ちなみにもう1柱は渡辺わたなべ宙明ちゅうめい先生。他にも居るけど'70年代はこの2人が最強クラス」

「渡辺先生は幸いまだお元気だが、菊池先生は残念ながら、去る4月24日に亡くなられたんだ」

「とっても悲しい(´・ω・`)」

「作者も訃報を知って、disc.02はネタ曲を差し替えて急遽構成をやり直したと言っていた」

「同時進行の番外編はほぼ書き上がってたから良かったモノを、無茶しやがって……(AA略)」

「死んでない死んでないw」

「最後の最後までメタな話なんだね……(^^;」


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 このレコードは、作者が初めて買って貰ったLPだったりします。

 コロムビアと言えばオレンジラベルがデフォな世代。

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