リスタート(おまけ) 聖水を飲む

――やられた!

 私はもうろうとする風景を見ながら力尽きようとしてた。

 しかし、私は果たせなければならないことがある。

 力尽きる直前、私はあるスイッチを入れた。

 そこからの意識はない。


「目を覚ますのだ、戦士・隅田天美よ」

「……あぁ?」

「お前って本当に寝起き最悪な奴だな……ほら、復職の話し合いを終えて街に繰り出したのはいいが、熱中症になっただけだろう?」

「クーラーのスイッチを入れたこと以外忘れた」

「その割にわきに凍らせた保冷剤を挟んで寝たの凄いな」

「意識ないっす」

「冷やした聖水があるが飲むか?」

「……嫌ですよ」

「真顔で答えるな。別に体内生産されてトイレで出した液体じゃないから……というか、お前の読んでいるエロ本とか異常だぞ」

「人のエロ本を読まないでください。あと、人の性癖に難癖付けないでください」

「まあ、飲みなさい」

「……はぁい……あ、緑茶ですか……美味いです」

「緑茶には体を冷やす効果があるからな。作り方も簡単。昨日のうちに普段水出しコーヒーに使う冷水筒に水を入れてパックのお茶を入れ(500mlなら1パックが目安)冷蔵庫で冷やす。三時間後には飲めるぞ」

「ありがたいんですけど、最近、カフェインの取り過ぎとお医者さんから言われて……」

「それなら安心。水で出した緑茶はほぼノーカフェイン。ついでにいうなら甘みやうま味も多くビタミンC も豊富」

「おお! 確かにまろやかで美味しいです」

「一日で飲むのだぞ」

「はい!」

「というかさ、これ。『作った』シリーズでは?」

「いや、たまには出張版的にやるのもいいのかなぁ? と思いまして……今回のはほぼ料理とも言えないものですから……」

「では、改めて……目を覚ますのだ、戦士・隅田天美よ」

「はっ!」

「旅の目的を失ったお主に依頼しよう」

「はい」

「ただし、直接では言わぬ。街はずれにある沼に住む『やかまし男』に会うがよい……最後に一つだけ。冷やし緑茶って利尿作用がすごいからね」


 みなさま、熱中症には気を付けましょう。

 あと、トイレは早めに。

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