第4話、機械獣討伐!

「スラリン、こいつを吸収してみな」


「キュイッ」


キュイーン


「な、なんだそいつは」


「スライムだよ」


「バカをいえ、金属を吸収するスライムなんぞ聞いたことがないぞ」


「どうだい、擬態できそうかな」


「ガガッ……

ガガガッ」


「人工声帯がいかれてるみたいだな。

おっちゃん、人工声帯ないか?」


「ああ、あるぞ。

歌手タイプで1000だ」


「ノーマルのでいいんだけど」


それしかないというので、人工声帯を500で買った。


「ほらよ」


スラリンは人工声帯を吸収した。


「ぱ、パパ……」


「パパじぇねえよ」


「これのメモリーに、男の親はパパで、女の親はママだって記録かあったから」


「スライムが喋った……」


「ま、いっか。歩けるか?」


ガチャンガチャン


「大丈夫」


「おっちゃん、あと、壊れた武器とバギーとかないかな」


「おお、珍しいもの見せてくれたからな。

砲身の曲がったランチャーと、コアのいかれたパルス銃があるぞ。

ショックガンの破損品とシャーシの折れたサンドバギーも併せて、5000でどうだ」


全部まとめてスラリンに吸収させた。


「あーあ、散財しちゃったな。

また、しばらくは機械獣狩りだな」


「機械獣を倒してお金になるんですか?」


「ああ、機械獣は人間にとって害だからな。

倒した記録はヘッドセットに残るから、ギルドで申請すればそいつで換金できるんだ」


スラリンにサンドバギーに擬態させてハウスユニットに帰る。

その日は、そのまま寝た。


翌日、俺の工場に行って、必要なものをすべてスラリンに吸収させてハウスユニットへ持ち帰る。


「なんだか、賑やかになってきました」


「スラリン、調子の悪いところはないか?」


「ゼッコーチョー」


「よし、狩りに出るけどノルンはどうする?」


「一緒にいってもいいんですか?」


「武器はあるのかい?」


「外に出るときは、このパルス銃を持っていくようにしてます」


「ヘッドレストとの同期は……してないよな。

じゃあ、俺がセットして転送するから」


「はい。お願いします」


銃のセッティングが終わった。


俺たちはエアーバイクで狩りに出かける。


「左10時の方向にメタルドッグがいるだろ」


10時の方向とは、進行方向を0時として、時計の文字盤の角度を表す。

したがって、10時の方向とは、左60度の方向になる。


「はい、表示されてます」


「銃をターゲットに向けて、赤の点滅が緑の点灯に変わったら、引き金を引くんだ」


「はい、やってみます」


パシュッ


よし、命中だ。

今の要領だぞ。


「はい、わかりました」


俺はエアーバイクをメタルドッグに寄せる。


「スラリン、吸収しろ」


「了解です、パパ」

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