第1話 天空のお城にて

 地球でいうと、北極か南極の丁度真上に天空のお城があり、白であれば形を問わない服を着た天使たちが仕事などに勤しんでいる。


 ちなみに、地球でいうと天使たちは正社員に該当し、死神だったり、魔女だったり、前世は人間だったりするその他の者共は、契約社員やアルバイトや派遣だったりする。


 まぁ元人間で、今は死神であるエミリーからしたら、正社員は責任感が増すし、最低8時間以上の雇用なんてしたくないし、神様を養うための税金だってもっと増えるし、天使になんてなりたくないって思っている。


 それに、レースひらひらのぶりっ子っぽい可愛い洋服やいかにも天使っぽいロープや個人的な趣味もありそうな白衣だとか花嫁衣裳とかセーラ服など、人のニーズは色々あるけど、白を中心とするゴシック・ゴスロリはエミリーには似合わない。ロリーターは甘すぎて幼女になるのだ。


 ついでに天使は白以外は自由な服装も死神であるエミリーとかは白以外のちゃんとした制服やスーツでいなくちゃならず、今日は黒いブラザーに、男の子っぽい深紅のネクタイを結んだ宝塚の男子スタイルで、決めているが、黄色い歓声が五月蝿くって顔をしかめている。


 しかも、死神資格更新のための研修で白で溢れる清潔なこの城を訪れており勉強だけでもエミリーは憂鬱なのだ。


 あぁこれだけは女に学問はいらなかったエミリーの人間時間に戻りたいと心から願い、テレパシーで上司から、過去を懐かしんだ罪で勤怠項目を一点ひかれたばかりで、一日が長いのである。

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