第5話 悪しき者達

その日は突然やってきた。

いつものようにコンビニ弁当を食べてシャワーを浴びた時だった。


カタカタカタッ


シャワーから上がった部屋に音が鳴り響く。


バサバサッ


…ゴキブリか?


テーブルに目を移すと!


タクヤ「おっ、お前は!!」


テーブルの上に見慣れない風船が!!


風船「お前がナナミャンの仲間か!」


タクヤ「うわー!!!」


いきなり風船が襲いかかってきた。


テレレレ テレレレ レレレー


聞いたことのあるロールプレイングゲームの戦闘音楽が何処からか聞こえてくる。


風船マン HP 10

タクヤ  HP 30


見たことのある数字が壁に。


風船マンの攻撃

トゥルッ

タクヤは交わした


タクヤの攻撃


タクヤ「えっ!俺っ?」

タクヤは風船マンを叩いた。

トゥルッ

風船マンは交わした。


風船マンの攻撃

タクヤの口を塞ぐ

タクヤ「うう〜!!」

タクヤ2ポイントのダメージ


タクヤの攻撃

タクヤ「えいっ!!これでっ!」

安全ピン!!!

パンッ


トゥルルルー


風船マンをやっつけた


…なんだったんだ。

ナナちゃんが出てくるより非現実的。


ピンピンピンピン


ナナ「やーやー!」

ナナ「???」


ナナ「どーしたの?」

タクヤ「出たっ!」

ナナ「なにがー?」

タクヤ「悪しき者?ってやつ。」

ナナ「えー!!!大丈夫っ!?」

タクヤ「なんか生意気な風船がいきなり襲いかかってきた。」

ナナ「風船?」

タクヤ「そう。風船。」

ナナ「あの、膨らます風船?」

タクヤ「そう。あの風船。」

ナナ「……。」

タクヤ「風船だけど、いきなりあのロールプレイングゲームの戦闘音楽流れて、すぐ襲いかかってきたんだ!」

ナナ「なんかよくわからないけど、無事でよかった。」

タクヤ「悪しき者とはあれなの?」

ナナ「うん。二次元の記憶あまりないけど多分その風船は弱いやつ。もっと強いのいたはずだよ。」

タクヤ「たしかに。あの風船マン、映画では初期に出てきてすぐやられたやつだ。」

ナナ「きっとこれからもっと強いの出てくるはずだよ。」

タクヤ「なんで?」

ナナ「私が二次元から出てきたことによって現実世界との微妙なバランスが崩れたんじゃないかな。」

タクヤ「なんか非現実的。」

ナナ「そもそも私がここにいる事自体が非現実的だと思うよ。」

タクヤ「風船いつからいたんだろう。」

ナナ「やつらは私と違って不正でこの世界に来てるからきっと時間制限なんかないんだと思う。」

タクヤ「なんか、話難しい。」

ナナ「でも。悪しき者と戦えるのはあなたしかいないと思うの。」

タクヤ「俺、なんかゲームの主人公になったみたい。」

ナナ「でもこれはゲームじゃない。」

タクヤ「なんか、よくわからないけど、よくわかった。」

ナナ「今日はもう大丈夫ね。」

タクヤ「一応倒したし。」

ナナ「それじゃ〜!」

タクヤ「のんきだねー。」

ナナ「これが私の戦い!」

タクヤ「はいはい。」


ゲームをしているナナミャンことナナちゃんを見ながら安息の時を過ごすのだった。

だが、タクヤは少し不安になっていた。


…今日のは風船だったけど、違うやつが来て暴れて近所迷惑にならないかなぁ?


タクヤの心配は少しズレていた。


店長「タクヤ〜。」

タクヤ「はい?」

店長「お前さー、」

タクヤ「なんもないですよっ。」

店長「まだなんも言ってないし。」

タクヤ「最近いつも同じ事聞かれるし。」

店長「いや、今日は違う。」

タクヤ「なんですか?今日は。」

店長「変な意味で聞くなよ。」

タクヤ「はー。」

店長「アニメやゲームから人や物が出てきたらどうする?」

タクヤ「はっ?」

店長「いやっ、勘違いするな!それは今俺が読んでる物語の話だ。」

タクヤ「はー。」

店長「今そういう物語読んでて、んでこの前ネットでそういう事が実際にあったって記事見つけて。」

タクヤ「でも物語ですよね?」

店長「そのネットの記事、凄い周りに叩かれてたけど、文面がリアルでさ、作り話にしてはよくできてると思って。」

タクヤ「その記事って?」

店長「ある日突然のリアルってネットで調べたら出てくる。」

タクヤ「一応見てみます。」

店長「見たら感想聞かせてくれ。」

タクヤ「はい。」


タクヤは動揺していた。

もしかしたら自分と同じ事が起こっている人がいたらと思って。


今日はいつもより早く全てを終えてパソコンで調べる事に。


{ある日突然のリアル}


…これだ!!


{突然やってきた私の推しメン。二次元アイドルの彼。毎日少しの時間共に過ごす。非現実的で夢みたいだけど。誰も信じないと思うけど。嬉しさでおかしくなりそう。触れる事はしないけど隣にいてくれる。すごく幸せ。一昨日までは。

やつらが、悪しき者達がやってくるまでは。

怖いけど、毎日怖いけど、私が戦わないと。

幸せと恐怖が隣り合わせ。

だれがこんな非現実を信じてくれるんだろうか?これは私の、私だけの現実。

誰にも言えない私の独り言。

皆さんどうぞ好きに叩いてください。

理解は求めません。誰にも。}


タクヤは衝撃だった。

自分と一緒だったからだ。

誰かも知らない人が。


…この人の話は多分本当だ。


タクヤはそう思っていた。




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