ホウカからの旅立ちへの応援コメント
全体に暗くて重い雰囲気が漂う作品ですが、ところどころで見え隠れする願望(歪んだ希望?)がそんな雰囲気を助長させているように感じました。
特定空間に存在する、異形の者(モンスター)をテーマにした作品は、古今東西書かれてきましたが、恐ろしい外見を前面に出して終わりということであれば、いわゆるB級ホラーで終わるところを、それぞれのバックボーン(概して悲しいもの)とのコントラストを描くことで、深いものとして語り継がれています。
――と、それらしい批評を書くのは容易いのですが、自分でお話を創作するとなると、すごく難しいです。テーマが重いことに加え、読者を異形の存在へ感情移入させるとか、物語に引き込むとか、そのあたりが難しそうです。以前、ホラーばかり書いていた時期があるのですが、そんな長編作品を書こうとして挫折したことが何度かあります。ボク自身が物語の雰囲気に滅入ってしまった感があって(笑)結果として、掌編みたいなものばかりになり、なんちゃってホラーで終わりました(笑)
支離滅裂になってしまいましたが、言いたかったのは、そんな難しい分野に挑戦した美ぃ助さんはスゴイと思った次第です。
そんな中、ボクの読解力が追い付いていないところがあって、恥を忍んで質問させてください(恥)ただ、物語のキーになりそうなところなので、作者として説明が憚られるのであれば、ヒントだけでも結構です。
それは……爺やが彼女に対する態度を突如変えた理由です。
彼女には、特殊な能力が備わっていて、喩えるなら生物のオスを魅了するフェロモンのようなもの。そこまでは理解しているのですが、その能力と爺やの行動の因果関係が見えませんでした。
種明かしを聞いて自分の読解力の無さを恥ずかしく思うかもしれませんが、これも勉強ですから。か、覚悟はできています(小声)
★★★(*。・ω・)σ=σ[]ポチッ
作者からの返信
RAY様、拙作を最後まで読んで頂き、誠にありがとうございます。評価までして頂いた事は嬉しい限りです。大変励みとなります。
お褒めの言葉を頂けた事は、感無量な想いと共に、物語を綴って良かったと心底に感じております。
ご質問の件について。
本作品の中で何故何どうしてが埋めれるように工夫を凝らしており、読了後には、『あ!? そう言うことか』と、パズルが解けるような解放感を味わっていただけるはず、でしたが自身の筆力の乏しさを痛感せざるを得ないですね。
これもまた修行。厳粛に受け止めたいです。
さて、本題に入ります。
爺やが蜂華に対する態度の変化ですが、簡単に言えば、身を以てして勇気を与えたかった。生きる希望の道筋を示したかった。です。
爺やは、すい臓がんを患っており、余命宣告一年から半年と医師から通告を受けています。
高齢の身です。痴呆も始めっており、病の治療を受けても余命は長くならず、死に際の灯火と言えるでしょう。ましてや病に苦しみ衰弱する自身の身体を見せるわけにはいかず、強がりを見せて蜂華の元を離れるつもりでした。その様は、死を悟った動物の本能と言えるでしょう。死に場所へ向かうための最後の奉公となるのです。
その心境は非常に苦しく、残された僅かな時間を有効に使い、蜂華の過酷な環境下を変える手立てを考えもしました。が、それは今の状況では叶う事は絶対にできません。
ならば、せめて爺やが傍から離れても、生きていける希望を持たせたかった訳です。
蜂華のフェロモンに屈しない人間が一人は必ずいる。
その事実がこの先も生き続ける希望の道筋。最良な方法になると考え付きました。そして、そのことを証明して勇気づけた後、晴れ晴れしく蜂華の元を立ち去る構想を思い描いていました。
もちろん当てずっぽうではなく、爺やには勝算がありました。
化学防護服が無くても長い間、蜂華の影響を受けなかった所以を試行錯誤する内に、互いが愛情を以てして接すれば、実はフェロモンの影響下に囚われないのではないか。そのことが駆け巡る様にもなっていました。
そんな爺やの気持ちを後押しするものがありました。
それは蜂です。蜂社会にヒントを得ていました。
オス蜂が何故、女王蜂とすんなり交尾できるのか、働きバチのように働くことを強要されないのか、働きバチに攻撃されないのか、と言うことですね。
そして蜂華の気持ち次第で、人はフェロモンの呪縛から解き放たれる。と行きつきます。
これは悪までも、憶測の域を脱することができません。蜂華の父親の命令で化学防護服を纏ってしまったから。それ所以です。
こうして一世一代の賭けに出る事になります。
賭けと言うのが、化学防護服を身に纏っているから事の真偽が計り知れないからですね。もしかしたら自分の考え違いかもしれないと言う疑惑の側面も籠っています。
以上の事が、爺やの手紙に綴られています。
蜂の事は書かれていないと言うのは言いっこなしですよ。他の地の文で匂わせていますからね(笑)
補足事項として、蜂華のフェロモンは多様性を極めており、自身の気分次第で発する物質の様を変えます。基本は女王物質です。女王蜂と同様に働きバチを思うが儘に動かして役割を与えて働かせるもの。ここでい言うなれば、五感が優れる動物を動かすもの。
ですが、自身の境遇と人を呪うが余りに発する物質が様変わりして、異様なものを発することもできようになりました。生物が持つ強者に対する畏怖を刺激するもの。防衛本能を過剰に働かせて蜂華を畏怖な存在に変えるものです。見る人によって異なります。逆を言えば、愛情を抱く者には素晴らしいものを見せる物質を発するものでした。
いざ蜂華と対峙する場面で、本当は爺やは軽い病気で治療する為に僅かな時間は離れるといった嘘を付くはずでした。が、それは蜂華が許すはずもありません。
爺やそのものが生きる希望であり、手放せばこの先どうしたらいいのか、煩悶する事になるでしょう。先々が見えない闇の大海です。大海を照らす灯台の光を失いたくは無かった。
蜂華には爺やの想いの半分は伝わっていましたが、何かと理由を付けて頑なに拒絶して、自分の元に留めおきたかった。
それは爺やにも伝わっており、ここは淡々と言いくるめるよりも、先に行動に移すことで、事後報告することにしました。押し問答している余裕は爺やには無く焦りがそうさせたのです。
一瞬だけ、蜂華に笑顔を見せる事ができたのは、爺やの感無量な想いがそうさせました。人間で初めて、一瞬だけ蜂華のフェロモンに勝てたのですからね。それに加えて一時の間だけ、防護服なしで懐かしい蜂華の素顔を垣間見ることが出来ました。が、現実とは思うようにいかないものです。
蜂華が爺やに猜疑心を抱き、疑心暗鬼に囚われたからです。それは悪意となって爺やに悪玉像を見せることになりました。
残念なことですね……。
二人の間には、長い間で培った愛情と言う固い絆で結ばれていました。
それが仇となり、御互いが真意を語らなくても、分かってくれるだろう。そう思い込んでしまった為に不幸を齎すことになりました。
思い込みや、すれ違いはろくなものを生みません。
それは人間社会で生きていれば誰しも遭遇することだと私は思います。失敗を重ね人は強くなると言いますが、その失敗が取り返しのつかないものだったら、悲運しか齎さないものと考えます。
その行く末を通して、例え愛情を感じるもの同士でも、腹を割って話し合う事が必要だと物語で深く思いを込めて伝えているつもりです。
これが裏テーマですね。
もし、この二人は互いが素直になっていれば、ハッピーなままでいれたのかもしれませんね。
爺やの視点を書き綴れば、明白となりますが、如何せん短編枠。爺や視点だけでも、五千字はくだらないと予想しております。何とか爺やの手紙でやり繰りして事を収めた次第です。
少々蛇足を含んでしまいましたが、RAY様の質問に対する私の回答でございます。
ここで綴ったのは、この物語の肝と言える部分です。爺やの手紙を読む事で、創作者である私と近いを想いを読み手様に感じて読了して欲しかったのですが……。
上手くいかないものですね。今のところは一人だけ、私と近い想像を抱かせることができただけですからね。他の方はこれを汲んで頂けたのかは、真偽の程はよく分かりません。
ここまで公にしました。もし、この真意を物語から拾い上げられない。と感じましたら、気が向いたらで結構です。コメントをお寄せくださいませ。まだ分からないところがあるでも結構ですよ(笑)
ではでは。
ホウカからの旅立ちへの応援コメント
爺やぁぁああああ!!(号泣)
すれ違い、悲しい結末が訪れてしまった……。そう思っていたのですが、ラストで悲しみが吹き飛びました。
無慈悲で、悲しくて、救いのない物語。
けれどラストで、その考えを覆す。
決してハッピーエンドではないけれど、不思議と清々しい気分で読了していました。
大変おこがましいですが、拙作の『徒花』と通ずるものがある、と感じました。
一見救いのない物語に思えるけれど、登場人物にとっては悔いのない、満足のいく結末を迎えている。そう思います。
悲しくも深い愛情を感じる、素敵なお話でした!
アナマチア
作者からの返信
本作は謎を多く含む構成です。なのでここでは余り申し上げれません。
全てが読み手様の受け取り方次第。どう受け止めるかで物語の結末が変わることでしょう。
『徒花』と共通的な概念を抱けるのは、アナマチア様の心を、鏡の様に物語へ映しているからかもしれません。ですが、アナマチア様なら、きっとこんな感想を頂けると思っていました。
まぁ、私の先入観の極みですね(笑)
ホウカの秘密への応援コメント
一話目で『壁画』という言葉が出てきたので、「蜂華さんはラプンツェルみたいなのかなぁ〜」と呑気に構えていたのですが……。
比べものにならないくらい、ヘビーな人生で悲しくなりました。
優しかった人が、ある日突然豹変して、酷い言葉を投げてくる。……とても辛く、耐え難いことです。
アナマチア
作者からの返信
お!? いいところに食いつきましたね。嬉しいです。
ただ、あれからは想像できないものへと変わっていきます。
人は突然豹変することだってありえるんです。それが何を意味するのか、受け取り方は自分次第となります。
捉え方を間違って欲しくはない……。
耐え難い事が連発しますが、意味があることなのかもしれません……。
ホウカからの旅立ちへの応援コメント
毒で死ぬのは白雪姫、魔女は毒を渡す方です。
いっそ、開き直って人里離れた山奥で生きるのなら魔女として幸せに生きられたでしょうに。人々はいつも異端の存在を許さないものですね。
最後に爺が帰ってきたのは、単なる幻か。はたまた呪いが解けたのか。
どっちにでも解釈できそうな所が良いと思います。
作者からの返信
返信が遅くなってしまい、誠に申し訳ございません。小事情が重なり、手が付けられなかったのです。お許しください。
私の拙作を最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。
楽しんで頂けたのであれば、幸いでございます。
評価して頂けたこと、ましてやレビューまで綴って頂けたことに嬉しさは極みを見せています。ありがとうございます。
人は異端の存在を許さないもの。これは古今東西の歴史が物がっていますね。人の救いがそこになければ、きっとこの物語のような結末となってしまうのではないかと思うものです。御伽噺のようにはいかないですね。オチを褒めていただけたことは、嬉しいですね。読み手様が私の狙い通りに感じていただけたことで、少しは私の創作技術が向上したと達成感を覚えるものです。
レビューを見た時、流石は一矢様だと、感嘆の声を漏らしました。
この物語は、一矢様の自主企画、『異世界へ恋を探しにいこう』のキャッチコピーから生まれたものです。あのキャッチコピーを見詰めて、ハッと思い描けたのです。あの一文がなければ、この物語は創作できなかったでしょう。感謝申し上げたい。
そんな経緯から設定は、ファンタジーなのです。それを見抜く洞察力は卓越していると言わざるを得ません。
ただ、設定はファンタジーであっても文字数制限が邪魔をして、ミステリアスの部分だけとなってしまいました。本作は異世界へ行く続きがあります。そこで主人公が何故に不思議な力を持って現世に生まれたのか明らかになるのです。ですが遺憾ながら、おおよその構想しか練っておらず、詰め切っていません。なので、実質的に物語はここで終わりです。結構、妥協もしました。
ジャンルも随分と悩みました。ファンタジーに片足を突っ込んでいる曖昧なものですからね。SFジャンルとすることも考えましたが、結局は謎と不思議が物語の醍醐味ですから、ミステリーと銘打つことにしました。これで良かったのかなぁと未だに思いますね。
私はミステリーとは推理小説だけに非ずだと思うのです。人知では解明できない不思議な要素がある物語もミステリーだと思うのですが、小説を投稿する時に良くジャンルで悩みますね。