第12話 演技力は力になる

放課後、「あの・・・・・闇氏、背後にいる全く体の半身以上出しながら隠れている、全く隠れる気がない隠れ方をしている少女は何者でありますか?」と幽一は尋ねる。

(チョッ●ーかな!?ていうかこいつの前では殺気を隠す気ないのな!!)

「あぁ、とりあえず、放っておけ、あと、その闇氏って言うのマジでやめろ」

「放っておけっていわれても彼女、こちらの後をついてきているんですよ。というかなぜ何のモーションもなく隅っこにかくれるのですか?隠れる気全く0ではありませんか」

「ほら、そろそろ着いたぞ」

闇はそう言うと、職員室の扉をガラッと開ける。

「ぁあ、おいーっす」

そこには、もうやる気が全くないと言う態度の椿 風江の姿がそこにあった。

「先生、とりあえず、まぁ、昨日の見回りについての結果についてのミーティングみたいな感じでここに集合しました。」

「んん?、ああ、そう」

椿はものすごくやる気のないっていうのが分かる返事を返した。

「えーっと、昨日は、とりあえず、全部見たけど、まぁ、やたらと部員の失敗やらを全部キャプテンのせいにして、結構ビンタしたりしていた顧問がいたので、コアラーズが負けt・・・・・むしゃくしゃしてたので、直接その教師をぶん殴って、つぎやったらこんなもんじゃ済まさねえからなって言って解決しました。」

え? 暴力沙汰起こしたの? この人、しかもむしゃくしゃしてたって完全に、「アウトではありませんか? それは」と幽一が追及する、が「んあ?」と椿はそれがどうしたと言う態度。

「いや、んあ? じゃなくて、それはまずいだろ」闇がツッコム

「いいんだよ、前から、熱を出して休むのはお前の心が甘ったれている証拠だとか 風邪をひいても薬なんかにたよるか!! とか意味わかんないこと言う教師だったからとりあえずその口閉じとけよって思って。ちょうどこっちの気分も悪かったからちょうどいいやって思って。ていうかさ、ていうかさ!! 自分がチケット買った日に限って負けるってどう思うよ!!」

「いや、アウトでしょ!! 先生!!!」と幽一がツッコム。

「いいんだよ、目には目を、歯には歯を、暴力には暴力で解決するのが一番いいんだよ」

「えぇ」幽一は、無理矢理なハンムラビ法典にドン引きしていた。

「ところで、さっきからチョッ●ーみたいな、全く隠れる気が無いお前は誰だ」とそこで職員室の扉に張り付いている小夜子を見つけた。

「音斬 小夜子です、黒城 闇さんのいやがらせに来ました」

「いやがらせ?」

「そっか、なら良い」

「いいんだ・・・」闇は呆れる。

「そうだ、転校生お前も暇だったらこいつらの活動手伝ってくれ」

「はい、分かりました」

いいんだ!! と幽一が驚いているのを無視して、椿が大体の仕事の内容のあらかたを説明すると、「分かりました、学校の監視をすれば良いと言うことですね」

「うん、そゆこと」気が抜けた返事をすると、椿先生は「じゃ、あとはよろしく、私はいつものアレがあるから」

「いつものアレって何?」そう闇が深堀しようとしたら「いつものアレって言ったらアレだ、んじゃ」とごまかし、ものすごくだるそうに帰っていった。

まさか、またキャバクラとかじゃないだろうな。と闇が疑っていると「さて、見回りを始めますか」と氷柱が動き始めた。

「ああ、そうだなってちょっとまて、お前さっきの説明で本当に分かったのか?」

すると、小夜子はキョトンとした顔で「はい、とりあえずさっきみたいな輩がいたら、斬れ……ぶん殴ればいいんじゃないんですか」と腰につけてある刀を抜きながら言った。

「いや、あれは、特殊な状況の時だからな。ていうかさっき斬るって言おうと、ってお前刀抜くな、ていうかどっから取り出してきた!!」と闇は小夜子の刀を指さす。

「私の一種の機能で刀を持ち歩いていると銃刀法違反で捕まってしまうので透化させることができます」

「いや、そう言うことじゃなくて、ていうかお前、完全に切るつもりだよね?」

「……」

「いや、なにか返事しろよ」

「黙秘します」

「完全に切るつもりだよね!!」

「大丈夫です。少し先端部分ですから、先っぽをちょちょいのちょいです」

小夜子は片目をつぶり無表情で左手でひとつまみする指の形をさせながらそう言った。

「ちょっと変な意味に聞こえる言い方はやめろ」そう言って小夜子を見ると小夜子は僅かに肩を震わせていた。それは、まるで笑いをこらえているようだった。

「お前、狙って言っただろ」

「いいえ、因みに先端と言うのは刀の先端部分です、決してちんk……」

「いや完璧に狙っただろお前!! ていうかボケの説明はするな!!」

その様子を後ろで見ている幽一は、これは、我にハーレム、ついにラノベ主人公になってしまったのか、と考えていたのだった。


そのころ、学校とは別の建物から双眼鏡で闇と小夜子のやりとりを見ていた人物がいた。

「あの子はたしか、クフフフフ、どうしてあんなところで生徒ごっこをしているのかしら」

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