第2話妹っていいよね

その後は普通に授業を受け、放課後になった。

さてさて帰宅部はさっさと帰りますかな

「ねぇ」

「なんだよ」

「一緒に帰るぞ」

「はあ?やだよなんで俺がお前と一緒に帰るんだよ」

「なんかあんた勘違いしてない?私は親父が一緒に帰れって言ってるから誘ってるだけだし」

「んじゃ帰るわ」

「はあ?あんた人の話聞いてた?」

「聞いてた聞いてた。んじゃあな」

「うーこらー待てー!」

結局一緒に帰る事になった。はあなんでこいつと登校、下校を一緒に行かないといけないのだ。勝手に結婚させられて、この仕打ち泣けてくるぜ。

「なあ、おい、杉村!」

「あ?」

「あんた私の話聞いてた」

「あーあれだよなうん。聞いてた。」

「いや聞いてないやん」

「んでなに?」

「だから杉村今週の土曜日暇?」

「あー、うん。めっちゃ忙しい。今世紀一番忙しい。」

「いやあんたそれ嘘でしょ」

「チッバレたか。流石学年一位」

「はあ?舌打ちすんなし」

「はいはい。で、土曜日だっけ?暇ですよ」

「だろうね」

「だろうねってなんだだろうねって」

「いやだって杉村遊ぶ友達とかいないじゃん」

「..........」

こいつはいちいち気に障りやがる。

「あれ?杉村怒った?流石に草なんだけど」

草を生やすな草を。除草剤まくぞ。

「怒ってない。で、土曜日なんかあるのか?」

「いや土曜日デートしない?一応夫婦なんだしさ....」

「はあどうせ否定してもどうせ行く羽目になるんだろ。わかったよ。行くよ。」

「ふーん杉村にしては理解がはやいじゃん。」

「じゃあすみれ駅に9時に集合ね!」

「はいはい。9時にすみれ駅ね。了解。」

「んじゃ私、家こっちだから」

「んじゃな」

そういえば夫婦って同じ家に住む気がするけどまあいっか。


「だだいまー」

「あっおかえりーおにーちゃん!」

「おうだだいま。瑠衣。」

一応説明しとくか、こいつは俺の妹杉村瑠衣。中学生2年生って俺誰に説明してんだ?

「おにーちゃん、瑠衣ね、欲しい物があるんだけど....」

「なんだ、なにが欲しい。いま500円しかないからそれ以内な。」

「うわぁおにーちゃん。それ瑠衣より持ってないよ」

「うっせ、でなにが欲しい?」

「本当は服が欲しかったけど流石に500円しかない人にたかるのはね?」

「あのなぁ瑠衣、500円あればマッルとかカンタッキーなどが食えるぞ!」

「いや瑠衣が言ってるのは500円しか持ってないおにーちゃんに言ってるんだよ。」

「うぅおにーちゃん悲しい。俺じゃなきゃ泣いてたね」

「はいはい。あっならおにーちゃん荷物持ちになってよ!」

「まあ荷物持ちぐらいなら」

「じゃあ土曜日ね!」

「いや土曜日は予定が入ってる」

「!?」

「嘘、あの、おにーちゃんが.....」

「遂に....友達が....」

「いや、一応妻。」

「えっ妻?妻!?」

「いつおにーちゃん結婚したの!?」

「いや結婚したと言うか結婚させられたとか。」

「えっ誰に?」

「いや親父に」

「ふーんお父さんがね.....」

「あの怒ってる?」

「ん?全然怒ってないよ」

いや瑠衣さん。目が全然笑ってないよ。

怖いよ。人殺せるよ。

「まあ土曜日は無理って事だからー日曜日!日曜日に荷物持ちね!」

「はいはい。わかりましたよっと」

さーて親父の叫び声が聞こえる前に寝よっと。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る