滑稽で切なくて、優しい物語

大好きだった祖父の唐突な死。
そこから描かれる主人公の心の苦しみが、静かに語られていきます。
身内の死さえも埋もれていく日常の中で、淡々と心を軋ませる様子は、こちらの心も痛くなります。
身近な人の死を、とことんまで突き詰めて考えた時、向き合った時、人の気持ちがどう動くのか。
読み終わると不思議と穏やかで優しい気持ちになっている、短編ながら、非常に密度の濃い作品です