第2話児童館へGO

 出産時大量出血から産後の体調芳しくなく、更に重なるように息子くんは眠らない子だった。

 ほぼ三十分置きに泣くためママは纏まって眠ることが出来ず、やっと首が座り眠る時間が三時間置きになり始めてから体調を戻したため児童館デビューは生後半年になっていた。

 丸々とした息子くんをさらに丸々暖かにしてベビーカーを押して三十分近く歩いた場所にある児童館。 

 初めての日はなかなか名前を伝えられないことにここに来て気付いた。そう正しくは「ら」と発音する場面、子供たちの声にかき消されどうしても「だ」と勘違いされてしまう。

 その日ママは考えた。どうしたら名前をちゃんと伝えれるだろうか、来週まで時間はある。

 翌日意を決して少し距離のある手芸店へ向かいフェルトを数枚と刺繍糸を購入。

 息子くんの昼寝時間にせっせと作ったのはヒヨコと太陽の名札。それをマジックテープでくっつけれるようにしてハイハイ絶好調時期の息子くんの服、その背中の腰あたりに付けておいた。

 翌週の児童館で名前を間違われることもなかったが、これが便利さゆえに色々なママさんたちにどうやって付けたのか作ったのか聞かれる羽目に。

 さらに翌週にはほぼ全員が名札付き。マジックテープだから安心して服に付けれるのもあり、毎週ではなくたまに顔を出すお友達も名前を忘れて苦い思いをすることもなくなった。

 先日、片付けの際に出てきたヒヨコの名札を息子くんが見つけてその話をしたのだが、息子くんのひとことは「ママ、裁縫苦手やのにがんばったんやな」だったが、息子くんよママは現在進行形で頑張ってますよ。

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