第15話 織部ロー・古田母、参上!

古田姉が話し合いの為に設定した場所は、古田家の居間だった。


私は、戦力として蒲生さんと高山さんを連れて行った。


古田姉:「私の友達の利子さん、高山さん、蒲生さんです。お母さん、私、利休派になることにしたの。」


古田母:「私の聞き間違えかしら。あなたを織部ズムの大幹部にするため、今まで英才教育をしてきたのよ。お父さんみたいなこと言わないの。」


古田姉:「今なら、お父さんの気持ちがわかる。だって、お客さんに嘘をついて売ったお金で、新しい商品を織部ズムの本部から仕入れたら、うちが全然、裕福にならないもん。」


古田母:「お父さんには、わからないのよ。人は物欲が満たされれば幸せになれるの。そのためには、どんな嘘をついたってかまわないのよ。」


古田姉:「お母さんには、おもてなしの心がないの?」


古田母:「おもてなし?なによ、それ。」


私:「おもてなしの心は、相手の事を思って、今できる最高の事をしてあげることです。気持ちが伝わることで、心から幸せな気持ちになれます。物欲だけでは、心は満たされないんです。次々、欲しいものが出てきて、いつまでも幸せになれない。」


古田母:「そんな事は、わかっているわ。だって、物欲は無限に続くから、お金になるんじゃない。」


古田姉:「お母さんは、お金のために織部ズムに入っているの?」


古田母:「違うわ。あなたを大幹部にするために、頑張っているの。だってあなたが大幹部になれば、いつか古田家が裕福になって、幸せになれるじゃない。」


私達は、顔を見合わせた。


古田母の言っていることは、何かがおかしい。


高山さんが、考えをまとめ始めた。


高山:「お母さまの言っていることは、矛盾しています。」


古田母は、驚きながら下を向いた。


私:「高山さん、何かに気づいたのね!」

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