Steal

光のように瞬く

人の心を今日も奪いたい

僕には美貌に知性や才能もある

大抵のものなら手に入れられるんだ


ある日出会った

道端に転がってるような

ありふれた輝きのひとつ

どうして君の心は

どんな輝きも

受け入れて手を繋げるのだろう


そんなのまやかしだ

信じられるものなんて

この心が産み出したものだけだ

自分が輝くために

誰かに照らしてほしい

愛されたいだけの僕は


どうしてだろう

君と他の誰かの

一体何が違うのか

気付けば僕の毎日に

君のことを考える時間が生まれて

増えていって



こんな僕は僕じゃない

僕は僕が幸せならそれでよかったのに

君の心は奪えない

そのことに気付くのも怖かった

君には知性と優しさがあって

美貌なんてどうでもいいくらい綺麗だ

芯の濁りを隠して生きる僕が

その光を曇らせることなんてできない

なぜか強くそう思って


君がいない街で

生きようとも考えたけど

君はそんな僕さえも

ただ静かに照らしてくれた


だから僕は今日もここにいる

でも人の心を奪うのはやめた

僕はもう知ってしまった

欲しい光はそうただ一つ

触れることは出来るだろうか

手を伸ばしてみてもいいだろうか

君はそんなことさえもきっと

受け入れてくれるような気がした




steal→盗む、奪う

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