かざぐるま

私はコップの中の液体を一気に喉に流し入れ、ぷは、と息を吐いた。


パック入りの牛乳なんて久々に買った。

しかし1リットルというのは案外簡単になくなるもので、昨日のクリームシチューに少し、今朝のコーンフレークに少し使ったら、あとはコップに一杯ぶんしか残っていなかった。長いこと料理もしていないと、どうやら量の感覚も少し鈍ってくるらしい。

そんなことを考えながら、空になった牛乳パックを軽く弾く。


そういえば幼い頃、牛乳パックを使って工作をしたことがあった。カッターもまだ禁止されていた頃で、はさみで地道にちょきちょきと。

完成したかざぐるまはひどく歪で、息を吹きかけても手を使っても一切回ってくれなかったのを覚えている。


なんだ、柄にもなく懐かしさを覚えてしまった。

折角今日は暇になったのだ。かざぐるま、少し作ってみようか。

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