7分間タイムアタック作品集

日隅

目の前には金属格子。

上を向くと見事な青空、そして白い雲。

下を向くと汚いコンクリート。一歩分後ろから、空気。


もう一度上を向く。雲が流れる。時速何kmだろうか、とふと思う。

そのまま、一歩分後ろへ、空気へ、両足を踏み入れる。


流れる雲が心なしか遠くなってゆく。

雲の流れる速さよりも、速く、速く、落ちる。


私はもう、最期に見た空模様を覚えていない。

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