第2話 プロローグ2

 世界はマナで満ちている。


 マナとは生きとし生ける者全ての根源。


 マナ無くしては生けること叶わず、死すれば全てこの根源へと帰する。


 人もこの理から逃れられず、マナより産まれてマナへと還る。


 人がマナの有り様に気付いたのはいつの事だったであろうか。


 種として台頭し、魔種や竜種を抑えて世界を席捲した事に、マナが無関係であることはあり得ない。


 人ならざるものに対して、マナ無くして立ち向かう事は、素手で鉄塊を砕こうとする事に等しい行為だ。


 故に人の歴史はマナ研鑽の歴史と共にある。


 神の名のもとにマナを謳い、讃え、そして遺して現在に至りやがては別の彼方へうつりゆく。


 この物語は、そんな歴史のひと欠片が次へと至るまでの苦難と激闘の記録である……






はず。

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