妄想で二重スリット実験を考える

 今一度二重スリット実験をおさらいします。


 二本のスリットの入った板を一枚用意します。スクリーンと電子銃の間にそのスリットの入った板を置いて二本のスリットのどちらかを通るように電子を発射します。そうすると見事な点描で描かれた干渉縞がスクリーン上に現れます。

 今度は発射した電子がスリットのどちらを通ったか分かるように検知器を取り付けます。そうして電子を発射すると今度は干渉縞は現れずに2本の濃い縞模様が現れます。


 以上が二重スリット実験のあらましです。

 この二重スリット実験で分かることは

 ・どちらを通ったかを調べなければ、電子は波の様な振る舞いをする。

 ・どちらを通ったか特定すると、電子は粒としてのふるまいをする。

 ということです。

 では、いよいよ妄想していくわけですが、再度今までの妄想を確認します。


〇磁力とは斥力の波の事であり、N極とS極の二種類の全く反対の波で、同じ極同士が近付くと強め合い、違う極同士だとお互いの波を消してしまう。

〇電磁波と、磁力である斥力の波は妄想空間を伝わる。

〇電子だと考えられているのは原子核に固定された斥力の波である。


 ところで、私の妄想の中では電子は斥力の波が輪になったものでした。斥力の波で出来ているのですから、当然電子からは周りになんらかの波が出ています。あ、電子に限らず全ての物体からは電磁波が出ていますから、取り敢えず波が出ている筈です。ここは忘れないでいてください。

 で、本命の二重スリット実験です。電子が発射される瞬間電子からは斥力の波が出ています。斥力の波とか電磁波は妄想空間を伝わっていますが、何か形のある物があってそれと関係している斥力の波や電磁波であれば、なんらかの形で姿を現します。ここでは電子の動きに関与するという形で姿を現している事になります。

 電子は斥力の波の動きに合わせてスリットの間をすり抜けてスクリーンに姿を残します。波の動きに合わせてスリットの間をすり抜けるのですから、二本のスリットをすり抜けた波同士で干渉した波に乗っている事で、スクリーンには見事な干渉縞が現れるという事になります。ここまでは良いですよね。

 では、どちらのスリットを通ったかを特定した後はどうでしょう。どちらのスリットを通ったかを特定するにはどうすればいいでしょうか。もちろん肉眼では見えませんから、電気的に観測するという事になります。電気的に観測するという事はなんらかの電磁波を発するという事です。なんらかの電磁波と電子が発した波がぶつかったらどうなるでしょう。スリットを通った頃には同じ波ではなくなっています。お互いに干渉し合った干渉縞が見られるわけはないですよね。

 これは動き出した電子に斥力の波が関与しているという事にしましたが、逆に電子が発射された瞬間に着地点は決定していたと考えることもできます。

 なんでも良いんですが、例えば弓を使って矢を射るとします。矢を射る瞬間の弓の引きの強さや弓の角度で、矢がどこに飛んでいくのかは、途中で突風でも吹かない限り決まります。つまり、矢が射られた瞬間に矢の通り道は一本に決まるという事になります。

 さて、二重スリット実験の場合はどうでしょうか。二重スリット実験でも理屈は一緒です。電子の出される角度は一定ではあるとしても、発射する機械の微妙な電気の強弱や電子の状態でその通り道は変化しますが、電子が発射された瞬間にその通り道は決まっていると言えます。

 スリットのどちらを通ったか観測していない時には干渉縞ができるような通り道、スリットのどちらを通ったかを観測している時には干渉縞のできない通り道が発射される瞬間に決まるという事ですから、コペンハーゲン解釈のように、誰かに観測された瞬間に波のように広がっていた電子が収縮するなどという事ではなく、最初から粒子の状態は変わらないのではないかというのが私の妄想です。

 ただし、空中を飛んでいく電子の場所を、飛んでいる瞬間に特定するのは難しいので、結局はシュレーディンガー方程式に頼って「この辺りにある確率が高いよね」って言うしかないのは確かです。

 私の一押しがボーム解釈だと言ったのは、まさに私の妄想とほぼ同じだったからですが、ボーム解釈で出てくる「パイロット波」というのは、私が妄想している「妄想空間を伝わって広がる斥力の波」の事であろうと考えています。

 この考え方が都合が良いのは、実は二重スリット実験で電子の時と同じような実験結果が見られるのは電子のような小さい粒子だけではなく、比較的大きな「バックミンスターフラーレン」という粒子でも何故か同じような実験結果が得られる事を説明できるところです。

 バックミンスターフラーレンの分子式はC60で、分子一個の重さは1.1971×(10の

-21乗)gです。電子の重さは9.1094×(10の-28乗)gですから、単純に考えてバックミンスターフラーレンは電子の100万倍以上の重さです。

 つまり電子の様な粒子か波かはっきりとは分からない存在の所謂「量子」だけではなく、しっかりとした実態のある、とても量子とは言えないバックミンスターフラーレンのような分子でも、波でもあり粒でもあるという振る舞いをする理由が、ある程度は説明できるという事です。

 それはこう考えられます。ある程度の重さの物までなら妄想空間に広がるこの斥力の波に乗っかれるのではないのか。あくまでも重さであり大きさではありません。どんなに小さくても斥力の波に乗っかれなければだめだろうし、どんなに大きくても斥力の波に乗っかれる重さならいけると思います。

 どこまで乗っかれるのかという重さの限度は分かりませんが、例えば人間だと自分自身で発している電磁波に乗っかることはまずできないでしょう。アリぐらいだとどうか、或いはウイルスレベルではどうか。兎に角妄想は尽きません。

 という事で、二重スリット実験を妄想で考えるのはここまでに致します。

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