第3話

四谷と会った数日後、例の人間を殺した犯人が捕まったとマスコミ各社が報じた。

「ねぇねぇ、あいつを殺した犯人捕まったらしいね。」

「アユミ、それ本当?」

「うん。ほら。」

アユミはニュース画面が表示されているスマホを私に見せてきた。そこには、私が殺しを依頼した男を殺した犯人を逮捕したというニュースが流れていた。

「そのリンク、私に送ってくれない?」

「良いよ、ちょっと待ってね。」

アユミは私にリンクを送ってくれた。

「ありがと。」

「じゃあ、私そろそろ休憩終わりだから先に行くね。」

「うん、お疲れ。」

アユミが仕事に戻ると私は先ほどのニュースを詳しく見直した。そこには、四谷でもない知らない高齢者が犯人として挙げられていた。気になる動機については、何も書かれていなかった。

『この人は、四谷って人に指示されて殺したのかな?でも、私からは500円しか受け取っていないのに、そんなワンコインで自分の人生を棒に振るような人っているのかしら?』

私は、自分が殺して欲しいと依頼した事件で犯人が捕まるとは思っていなかったため、このような事態になり背筋がぞっとしたのを覚えた。

と同時に、この犯人が私のことを依頼人として警察に話をするのではないかと急に心配になった。震える手でスマホを取り出し、四谷へ連絡を取ろうとしたが、すでに音信不通となっていた。


「お疲れ〜。ってどうしたの?顔青いけど大丈夫?」

休憩室に入ってきた同僚が私のことを心配してきた。

「うん、大丈夫。ありがと。もう休憩終わりだから私行くね。」

「頑張ってね〜」

その日の仕事は正直、上の空といった感じで何一つ手に付かなかった。

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