異端のジハードバレット

大福 黒団子

プロローグ 自己問答

 自分に何ができるかと言われても、自分には分からない。

 強いて言うなら生きるぐらいだ。何故なら僕は強くは無いのだから。何故なら僕に対した夢も希望も無いのだ。なんてことはない。極々普通。


 世界に勇者様がいるとするなら、僕は村人A。大人しく「こんにちは、いいお天気ですね」って言うだけでいいんだよ。

 僕は僕を信用できない。僕は僕の人生がどうとか分からない。誰かに救われる義理も無ければ、誰かを救う度胸も無いんだ。


 鏡に映る自分の顔が、いつも通り生気を宿していない表情で安定した。

 だって僕は舞台装置の一つに過ぎず―—…………苦しい。

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