第30話 やる気を出す方法

やる気を出すためには、商業作品読むのが一番いいはずだと思います。

基本は、好きな作家や憧れる作家でいいんじゃないいでしょうか。

商業作家っていう時点で、技量の水準は超えてる事は出版社が保証しているはずなので。


実際、新人賞に受かりたいなら、商業作家の作品の最初の数ページを自分で一度丸写ししてみろと言う人もいるくらいです。もちろん、パクれという意味ではなくて、「正しい」出だしの書き方の感覚を掴んでみるといい、という意味でしょう。

ただ、別に丸写ししなくても、「読めばいい」んじゃないかと思いますけどね?

例えば、最初の数ページを暗唱できるくらいに何度も読み込んでいれば、それは写しているのと同じですね。

丸写しというのは、例えば英単語や漢字を見ただけでは覚えられないので「何度も書く」っていう、そういうレベルの場合の話で…。(※普通の大人だったら、仮に見慣れない漢字があっても、ちっちゃい子みたいにいちいちノートに何十回も書かなくたって覚えられますよね。)


いずれにしても、書いてて上手く行かないなら、商業お手本にすればいいじゃんっていう話です。パクリは駄目なのは当たり前だし、月並みのものは求めてないっていうのは出版社もねちねち言う事ですけど、基本の型はきちんと押さえて、そこにオリジナリティを加えなさいという事には私は賛同します。

好きな作家に限らず色々読むべきだとは思いますが、やる気を出す事も考えるなら嫌いな作家をわざわざ手本にしても仕方ないので、好きな作家をお手本にすればいいんじゃないでしょうか。

ただし、120枚程度でまとめろと指定があるのと、商業作家で200ページも300ページも書いていいと言われている場合には違いがあると思います。

私は、一人の読者として、商業作品でも出だしに関しては「冗長で面白くないなあ」と感じるものは山ほどあります。最初が面白くないので、中盤とか終わりのほうを見て面白そうだったら初めから読むとか、「あらすじ」を見て中盤以降が気になる内容なら序盤面白くなくても我慢して読むとか、そんなのは普通にあります。

だから出だしって別にどうでもいよね、じゃなくて、「出だしがそもそも上手いな」っていう作家さんを手本にして鍛錬積むべきかと思います。

注意すべくは、「釣りが上手い」じゃないですよ。ネット上にはそういうのよくいますけど、フィッシング詐欺はお得意だけど中身はないっていう、そういうのをお手本にしちゃいけないっていうのは明白だと思います。小説家ではなく詐欺師を目指してるなら話は別ですが。

それと、お手本にすべき作家は、人に言われて従うんじゃなくて、自分で見つけるべきではないかと。人が推薦するものも参考にしてはいいと思いますけど、書籍とかブログで薦められる作家って、多くの人が見るわけでしょ。すると、いくら基本はできていても「同じような文章」がたくさん応募される事になって、今度は独自性がないと切られるんじゃないでしょうか。

基本は大事ですが、好きな作風、目標にする作家を自分で選ぶ(当然の事ですが)事自体から独自性が始まるような気がします。

推薦図書をお手本にしただけの作品は「教科書通り」の面白くない作品になってしまうわけで、それを壊そうと自己流に走ると基本がなっていないと言われるという蟻地獄にはまる可能性は容易に予想できます。

だから、やる気を出すためにも、新人賞で成績を残す目的の意味での「基本」を身に付けるためにも、まずは自分が好きな商業作家や憧れる作家をいまいちど整理して、作品を読み込むべきかもしれませんね。

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