半透明の散文

しゃくさんしん

日付


子を遊ばせていると、砂場の底からタイムカプセルを見つけてきた。洋菓子が入っていたらしきブリキの箱。台風一過の清潔な陽ざしを受けて、真新しい感じのする光に潤う。開けると、切れたミサンガや割れたディスクといったがらくたと、一枚の便箋があった。幼い字だった。赤ちゃんはいますか。もうお母さんですか。あなたのお母さんには会えましたか。片隅に記された日付から、昨日に埋められたばかりのものだと知った。


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