第7話 知らない想い

 私は想華遠離おもかえんり田中飛優たなかひゆう君とはチャットで知り合った。前住んでいた場所では、病気で入院生活を送っていた。下半身麻痺によってリハビリ生活をする毎日に、私は本当にまた歩けるようになるのかと自分のやっていることに疑問をもっていた。


 そんな中、チャットというものを初めて知った。いろんな人が、楽しくお話できるものだった。そこで、まりもりもり森というユーザ名の人に出会った。最初は、森に住んでるまりっとしてもりもりとした人かと思ったけど、優しい言葉遣いでやりとりをしているうちに元気を貰えた。そして、いつの日か感染病があちこちで広まり自粛。その頃やっと、リハビリの成果がで始めあの時は嬉しかった。





 〜 現在 学校 〜


「え〜と、そちらは?」

「こいつ〜じゃ無かった。この人は俺の友達の真志鳴強華ましなきょうか。お前を紹介してほしいと脅さ……いや、紹介してほしいと言われてな」


(この人確か、田中君とよく一緒にいる子)


「改めてはじめまして。私は真志鳴強華ましなきょうかこいつの友達。で、想華おもかさんに1つ聞きたいことがあるの」

「私に……ですか?」

「ここじゃなんだから、主にこいつのいない場所で話しませんか?」


(なんだろう……

   なんか失礼なことした……かな?)


飛優ひゆう悪いけどついてこないでね」

「え、おい!何で!」

「い・い・で・しょ!」

「は、はい……」


 私は真志鳴ましなさんに言われたとおり、移動して階段の所で話をする事になった。


「で……あの……いったい何の用ですか?」

「えっと……あの……、想華おもかさんは、あいつとどういう関係なんですか!」

「えっと……言っている意味が……」

「だから……その……、付き合ってるんですか!」

「え、え〜!そそそ、

      そんな付き合うだなんて……」

「付き合ってないんですか?」

「はい!でも、どうしてそんなことを聞くんですか?」

「実は私……、あいつの事が……田中飛優たなかひゆうのことが好き……なの」


 それは、私のまだ知らない感情だった。







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