伯爵令嬢は魔王と共に

一ノ瀬 彩音

第1話 壱

ガシャクラ・サクラは現在、魔王シャイグランドと共に過ごしているのですが

サクラとシャイグランドは親友なのです。


何故親友なのか?

当時20歳のサクラが親と喧嘩して家を飛び出して

気付いた頃には深淵なる森に迷い込んでしまうと

そこへ偶然にもシャイグランドがサクラの前に現れ

サクラとお話するも意気投合していまして

親友となるのです。


これがガシャクラ・サクラと魔王シャイグランドの出会いであり

親友となるお話です。


そして、今、サクラとシャイグランドはサクラがシャイグランドが治める

デッドリーヘヴィンという国にいるのですがどうしてそんな所にいるのか?


それはサクラがガシャクラ邸に帰るつもりもないし、

帰りたくないのですからデッドリーヘヴィン国にいるのです。


そんなサクラはデッドリーヘヴィン国にあるデッドリーヘヴィン城にいるのですが

そこでサクラは親友として魔王シャイグランドからおもてなしをされているのです。


サクラとシャイグランドが居る場所は魔王の間にいるのですけれど、

魔王の間にはサクラとシャイグランドの二人きりですが

壁には幾つもの蝋燭がありまして、蝋燭には火が点いているのですから

それが灯っている事で明るいのです。


更には甲冑や魔王像などがございまして

とても魔王の間らしい所です。


サクラとシャイグランドは高級そうなテーブルがございまして

そこにサクラとシャイグランドは魔王椅子というのに腰をかけて

座っているのです。


そんなサクラはシャイグランドの方に向いて笑顔で

「シャイグランドはこれから何するのかしら?」

そう言われるとシャイグランドは深刻そうな顔で

「何もしないな」

と言われるのです。


しかし、サクラは親友であるシャイグランドとは何かしたいというのはあるのですから

どうにかしたい所ですけど、一体どうするのでしょう。


サクラは腰をあげて魔王椅子から立ち上がるとそのまま足音を立てながら

シャイグランドの傍に行くとシャイグランドの顔を覗き見ながら

「何かしないのかしら? とても退屈でございます」

そんな事を言われるとシャイグランドはサクラの方を向いて

「ではこうしてあげようじゃないか」

と言われ、シャイグランドはサクラの唇を奪うのです。


唇を奪われたサクラはゾッとするとシャイグランドから距離を置いて

「な、何をしているのですかっ!! 私の唇を奪ってっ!!! 破廉恥なっ!!!」

そう言うのでした。


「くっははははっ、何かしないのって言うからキスしただけではないか、

もしかしてキスは初めてなのか?」

「私みたいに華憐な女性は当然ですけどね、キスは初めてですわよっ!!」

「それは失礼な事をしたな、申し訳ない」

「そう思うのでしたら何かして下さるの?」

「いいやっ、何もしない」

「そ、そうですか……それは残念です……」

サクラは肩を落として落胆していると魔王の間から出て行きまして

何処へ行くのでしょう。


通路を歩いていると魔王の配下と鉢合わせするのですが

会釈する程度で会話は決してしません。


サクラはしょうがないのでそのままシャイグランドからお部屋を

与えられているのでお部屋へ戻るのです。


お部屋へ戻るとそこには豪華なベッドがございまして

一通りの過ごせる家具もありまして、何も不便がなく過ごしているのです。


サクラは豪華なベッドの方へ行くとベッドにあがり横になると

溜息をついているのです。


『どうしてシャイグランドは構ってくれないのかしら』

そう思っているのです。


そんなサクラはウトウトしてくると仰向けになって瞼を閉じて眠ってしまうのです。


そして、翌日。


サクラが目を覚まして上半身を起こすと寝る前にはしっかりと

服を着ていたのですが、今はショーツ姿なのです。


そこでサクラがベッドから降りるとふとある場所を見ているのです。


それは豪華なベッドの近くには魔王製のテーブルがありまして

テーブルの上には書置きメモがあるのです。


サクラは移動してテーブルの側まで行くと書置きメモを拾い上げて読み上げるのです。


そこには

『サクラが寝ている時に服を剥ぎ取ってやったからな』

そう書かれてあっていまして、こんな事をするのは

シャイグランドしかいないと思っているのです。


しょうがないサクラはショーツ姿でお部屋から出て行くとそのまま魔王の間に出向いておりまして

魔王の間に入るとそこには笑みを浮かべているシャイグランドが玉座に腰をかけて座っているのです。


激怒しているサクラはシャイグランドの側まで行き、こう言うのです。


「私の服を返して下さいっ!!!」

そう言いますとシャイグランドはニヤリと笑みを浮かべて

「そんなのは炎魔法で燃やしてやったからな、くっははははっ」

「な、何ですってっ!! よくもお気に入りの服を…………」

サクラの身体から怒りと憎悪の闘気オーラが溢れ出しているのです。


それにサクラの瞳は元々赤だったのですが金色になるとサクラに異変が起こるのです。


何故ならガシャクラ・サクラは怒りと憎悪の闘気オーラを纏うと

別人みたいになるのですけど、今のサクラの姿は禍々しい防具を身に着けて

腰には破神剣ブラッドゼーニグルを所持しているのです。


「サクラよ、我と喧嘩するつもりか?」

「ええっ、喧嘩するしかないわねっ!!」

「わかった、サクラと我が喧嘩するという事は異世界全体を巻き込むぞ?」

「そんなのは私には関係ないですわねっ!!!」

「ならば望み通りに喧嘩しようじゃないかっ!!! ぐっははははっ!!!!」

こうしてガシャクラ・サクラと魔王シャイグランドによる喧嘩が始まろうとしているのです。

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