イジメは死刑! 俺は殺し屋だからな!

遠野 彬

第1話

俺は子供の頃からイジメに遭っていた。


「弱い…役に立たない…ちゃんと出来ない… 暗い…汚い…臭い… 」

…あらゆる中傷を受けた。


父は病弱で入退院を繰り返し、子供の面倒を見るどころでは無かった。 

きっと俺がイジメられてる事も知らなかったと思う。


そういう父に相談する事は出来ないと、 子供ながらに思っていた。


母は稼ぎの良い水商売に勤めに行ってた。 生活が苦しいのは分かっていた。

しかし、俺は父以外の男の人に色目を使って媚を売る水商売(昔の俺の穿った見方だったが)には行ってほしく無かった。

母の仕事のそれさえもイジメの材料にされていたから……


しかし、その事を母に哀願した途端に…

俺は母によって殴り飛ばされた。


「ガキのクセに生意気言うんじゃないよ!」


…………………


小学校の低学年までは、ヤラレ放題だったが、 3~4年になると反発もした。

リーダー格のガキ大将にも食ってかかった!

それが、よりイジメの対象になる事になった。


親しくしてくれる友達が居なかった訳では無いが、 俺と係わる事で…そのガキ大将から睨まれるようになる事を学んだようだった。


小学5~6年、そして中学生になっても不良グループのパシリをさせられた。

そのグループには、それなりの序列やルールみたいなものが有ったのだろう……


俺は、それに反して時々憤った!

それが またリーダー達の反感を買った。


『何を考えているか 解らないヤツ』 それが俺に貼られたレッテルだった。


………………………………


一番キレたのは彼女に成りかけていた女の子を そのリーダーに力ずくで奪われた日だった。


静香は俺に気があった。

「私……信夫くんの事が好き☆

だから付き合って……。」

俺は天にも昇るほどハッピーだった。


そんな静香と俺の仲を知り、静香に興味があったのでは無くて…… こんな下っ端の俺に言い寄ってくる女子が居ることが面白くなかったのだろう。


中学1年の事だった。 静香はそのリーダーによって、俺の目の前でレイプされた。 涙も出ないほどショックだった。

まだ俺さえも触れた事の無い柔肌を…… そのリーダーによって…その処女を散らされた。


俺は半狂乱になってリーダーに挑みかかっていた。

そんな事もお見通しのように……

俺はリーダーの指示で大勢から殴られ、 ボロ雑巾のようになって倒れていた。


俺は、その日から殺意を抱いた。

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