14日

 暖を取りに池のほとりへ行く。

 期待通り、先客の巨大な影が見えてほっとする。驚かせないようにゆっくりと近づいて、ゆっくりとあいさつをする。

「お背中、お借りします」

 巨大な甲羅から伸ばされた首がのんびりとこちらを振り返り、真っ黒なつやつやの瞳と視線が重なる。

 すい、と視線が逸らされ、すぐにまた、首がまっすぐに伸びていく。

 イエスかノーか分からなかったけれど、いつも通り背中によじ登り日の暮れるまで日向ぼっこを楽しむ。

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