第6話 不思議な100円ショップの正体
「そんなことできるの?」
私は聞き返した。
端末のIDを使って、私にしか見えないリンクを作っているという話だった。
私はプログラムのことはよくわからないからそれができることなのかできないことなのかよくわからない。
「うん、技術的には普通にできると思う」
ヨーコは言う。
そんなに難しい技術ではないらしい。
逆に特定のスマートフォンのIDを知ることのほうが難しいみたい。
「つまりこれってどういうことなの?」
私はヨーコに聞いた。
その技術を使った結果一体何が起きているのだろうか
私にはよくわからない。
「これは、ハルにはみんなに見えてると思わせて、実はハルにだけしか見えてないリンクなんだよ」
ヨーコは答えた。
私は、てっきり誰にでも見える100円で何でも買えるサイトだと思っていたけれども、それは私にしか見えないものだったらしい。
「えー」
私は驚く。
なぜそんなことが起きたのだろうか。
「つまりパパは、直接あってプレゼントできないけど、ハルが欲しがっていることは知っていた」
名探偵ヨーコは推理を続ける。
私達親子が自由にあってはいけないルールがあること。
私に勝手にプレゼントやお金を渡すことは禁止されていること。
「ええええ」
私は驚く。
「そこで、あくまで一般の、初心者に対しておすすめの商品を紹介しているふりをして、実はハルにしか買えないショップを作っていたんだ」
名探偵ヨーコはさらに推理をすすめる。
あくまでオープンな文章のフリをして、私だけにしか届かないメッセージを書いていたという。
「えええ」
私の驚きは止まらない。
パパがそんなことをしてくれていたなんて
「そして、このやり方なら、プレゼントじゃないわけだから、ママとのルールにもひっかからない」
ヨーコは続ける。
つまりこの不思議な100円ショップ。
私の欲しいものがなんでも100円で買えるショップは、パパからのプレゼントだったのだ。
「パパ・・・」
私は涙を流しながらつぶやいた。
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