第48話 賢王と賢星

(リリス) 「みなさんとの位置が近づいてきました。もうすぐ魔法適正陣営の国境です。」

(ユーカ) 「ええ、そうね。でも、さすがに急すぎるわね。」

(リリス) 「本当にそうです。なぜこんなにも急に始まってしまったのでしょうか。」

(ユーカ) 「しょうがないわ。賢王が始めたのですから、私たちにはどうにもできませんし。」

(リリス) 「そうですね。」


そう言ってる間に、

(ハクビエル) 「リリス、ユーカ。少しばかり遅いぞ。賢王様はもうお待ちだ。」

(リリス) 「すみません。アルカナの住民を避難させておりましたので、少々遅れました。」

(ハクビエル) 「構わんない。それは重要な任だ。リリス、頼む。」

(リリス) 「はい。」


魔法適正陣営国境には賢星と賢王、そして魔法適性者が集まっていた。

(リリス) 「最初に私たち賢星が王と話をします。皆さんは下がっていてください。」

テントのようなものがあり、そこに賢星全員が入った。

(リリス) 「賢星第1項リリス・シャルロッテ。そして賢星6名入ります。」

リリスの掛け声でテントに入ると、賢王アルグレイシャ・アルテミスが座っていた。

(賢王) 「よく集まってくれました。」

賢王がそういうと、賢星7名はひざまづいた。

(賢王) 「率直に話します。私が宣戦布告の魔力弾を魔力適正陣営に打ち込みました。よってずっと止まっていた歯車が動き出しました。これは統一のチャンスでもあります。今までこの50年。ずっと待っていました。今こそ、私たちの力を見せつけます。いいですね。」

(賢星7名) 「はい!」


一同、返事をした後、

(ノワール) 「賢王様、少し質問宜しいですか。」

(賢王) 「ええ、いいですよ。」

(ノワール) 「なぜ、急に戦争を始めようとお考えに?」

(グリフ) 「ノワール。賢王の前だぞ。なんだその口答えは…」

(賢王) 「グリフ。大丈夫ですよ。それはずっと抜かれていなかった聖剣第1項が抜かれたからです。100年前の文献に書いてあることが大陸を2つに分け、勝利を手にした剣。それが聖剣第1項エクスカリバーだと。そんな剣が若い子の手によって抜かれたと情報をききました。だからこそ今、この手でつまなければまた同じ過ちを…」

(ノワール) 「なるほど、分かりました。結局は魔力適正陣営の聖剣使いをつぶして統一すればいいだけですね。かしこまりました。すぐにでもその若者を捕え、賢王の前に立たせましょう。差し出がましいのですが、どんな見た目かわかりますか。」

(賢王) 「偵察部隊のジンが模写魔法でコピーしてくれています。目の前に出します。」


そして、その模写魔法に写って居たのは紛れもなく、永劫学園に入学したばかりのカイトの姿だった。


(ハクビエル) 「ま、まさか。」

(ミラ) 「ふーん、なるほどね。あの子の力なら納得かも。」

(リリス) 「…どうして。なぜあの時嘘なんて。」


驚くものと好奇心旺盛なもので溢れかえっていた。

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