101号室 つくおさん 102号室 田中ざくれろさん 103号室 友未哲俊さん 201号室 猫鰯さん

 ラプソディー・イン・ブルーみたいな感じで「とぅるーInゼリー」というわけでもないけれど……。真夏の熱き戦い。


第八回大会「とぅるーInゼリー杯」 大会URLです。

https://kakuyomu.jp/user_events/16817139555050857098





101号室(最優秀作品賞)はこちらに決定いたしました。



ナイスワーク/つくお


【作品URL】

https://kakuyomu.jp/works/16816927862537928063


【ヒトキワ荘・作品分類】

・ブラックユーモア作品(会社員コメディ)


【作品概要】

 外回りからオフィスへ戻った主人公の「おれ」。デスクに置かれてあった土産物らしい菓子を開封し、口にしたところ、喉の奥に異変を感じる。ふと気がつくと、足元に倒れる「誰か」。

 死んだ。そう、おれは死んだのだ。

 毒殺か? おれは恨まれていたのか? 十二階建てのオフィスを探索し、沸き起こってくるおれの述懐。おかしくも悲しい会社員ブラックユーモア。




【管理人室より】


 二回目のご入居にて、最高位の101号室をおめでとうございます。

 個人的な好みで言っても、今大会ご参加の作品の中で、一番好きでした。


 作品の魅力、私の感想・意見などは「講評ページ」にてすべてご紹介しておりますので、お手数ですがそちらをご覧ください。


 本当に、随所に散りばめられた「嗤い」が非常によかったです。この短さの中で手数が多かった、というのももちろんあるのですが、それ以上に「質」ですね。苦々しく、容赦ないんだけれど、「クスッ」という軽さもある。人間のしょうがなさ、それでいて愛しさみたいなものまで浮かびあがってくる笑い、というのはさすがです。


 また「名探偵コヨーテ」が活躍するような楽しいユーモア世界もお待ちしておりますねー。



【管理人がつけたあだ名】


 文学アウトボクサー 〜今日もまた、rich in black humor〜

 

 同じ人にあだ名を何個もつけていくのって、大変ですわね。以前考えに考えた異名「文学アウトボクサー」を気に入ってくださり、プロフィールでご紹介くださっているようで、めちゃくちゃうれしかったです。苦労した甲斐がありました。で、今回はプロモーション・ビデオのタイトル風(副題付き)にしてみました。

 ただきっと、アトリエはブラック作品ばかりでもないはず……。私はつくおさんの文章、とてもかっこいいと思っています。これからも執筆励まれてください。またヒトキワ荘用の作品ができましたら、ファイトしに来てくださいね。


 

 



102号室はこちらです。


世界最小のショー/田中ざくれろ


【作品URL】

https://kakuyomu.jp/works/16816927862359365163

※現在、ライブラリにまとめていらっしゃると思います。そちらをご参照ください。


【ヒトキワ荘・作品分類】

・学園ドラマ


【作品概要】

 ある学校の教室で、席替えを決めるあみだくじが行われていた。

 主人公の「俺」の目の前には、名前を書き込む二つの空白。その席を巡って、クラスメイトと世紀のジャンケンを開始する。

 起こる歓声、放たれるギャグ。少年が起こした奇蹟のショーがここにある。




【管理人室より】


 一作目の『銃声』もこちらも、田中ざくれろさんがくださった二作は主催者からすると非常に小憎い作品です。私としては作者様が100%エッセイで構わないと言うならそれでもよかったですし、自分のプライベートをさらしたくなければ「さり気なく」こっそり交ぜて、ガチガチフィクションにしてもいいんだし、と参加者に対して間口を広げたつもりでいました。主催者である私も「参加が少なかったら困るからな」という気弱な斟酌しんしゃくを毎度しているわけです。

 でもそういう「エッセイでやぶさかでなし」という豪胆や「創作気苦労」とはまるで無縁の「大会テーマを楽しむ」とでもいうような高い次元で、軽快なノリの見事なレスポンスを披露してくださいました。ここにまず「さすがやわ」という心の声がもれましたね。


 第四回大会のときの『コトダマだ! 終末を笑え!』も好きでしたし、ギャグを押しだしたショート作品など、参加作からは毎回、「笑い」への情熱と技術、瞬発力の良さを感じさせていただいております。

 今回もお忙しい中、ご参加を本当にありがとうございました。二回目の受賞、初のご入居をおめでとうございます。


 

 【管理人がつけたあだ名】

 

 宇宙に狙いを定める、ハイスペック・ギャグリアン


 魅力や特徴はいろいろあると思いますが、私にとってはギャグが凄腕、という印象。まさに高性能タイプなギャグマシーンでいらっしゃると思いますし、SF作品のイメージも強いので、響きはやや強引ですみませんが、異星人のエイリアンにかけてみました。

 これからのご活躍もお祈りいたしております。またキレキレのギャグでご参加いただければうれしいです。






103号室はこちらです。



オルフェーヴル!/友未 哲俊


【作品URL】

https://kakuyomu.jp/works/16817139554754520841


【ヒトキワ荘・作品分類】

・ユーモア小説


【作品概要】

 神戸の閑静な山の手のはずれに、ボーダーコリー一匹と猫五匹と優雅に暮らす親友の杉本くん。

 彼がその生活を手に入れるきっかけとなったのが、2012年のあの事件。

 彼と彼のフィアンセのルリカ嬢とぼくと三人で出かけた焼肉屋での一幕。その三日後に行われた人気馬オルフェーヴルの奇蹟のGⅡ第11レース。

 実在の出来事に愛と笑いのドラマを交えたハートウォーミングなユーモア小説ストーリー




【管理人室より】


 本当に愉快で読み応えのある名作をありがとうございました。おわかりかと思いますが、カクヨムで「ユーモア小説」をお腹いっぱい読みたいと思っても、自分好みの物語に出くわすことはそうそうありません。

 そういう意味で、たとえ小さな声でも「ユーモア小説が好きです、読みたいです」と言い続け、自主企画をやり続ければ「集まってくる」可能性が高くなる、ということで、活動してきて本当によかったなと思っています。


 今回、世間で実際に起こった事件のみを「実話」と取りあげて料理するような小説は「ノー」ということにしていましたが、それは「歴史小説」や「事件小説」のようなものが投稿されると、事実確認も含めて「笑い」以外の部分での考察が必要となり、私の能力では評価が難しいと思ったからです。


 こちらの作品は、競馬界でのオルフェーヴルがどうであれ、そのレースをギャラリーとして見ていた人間を主人公として、その人物たちのドラマを創りあげてくださったのだな、と思いました。その発想もおもしろかったですし、友未さんの遊び心や好みの小道具の挿入などもふんだんに見られ、またそれらを知らない人が読んでも楽しめる内容だったと思います。




【管理人がつけたあだ名】


 スマートかつヒューマーな文学紳士


 文章の芳醇さも──いつもだとは思いますが──光っていたと思います。ストーリー自体がすばらしかったとしても、ああいう文章が読めるか読めないかだけでも大分違いますよね。文章によって内容の印象がガラリと変わることもよく知られていると思います。

 二作目の「ふららちゃん」を読むかぎり、紳士には違いないと……。ええ、たとえばですが、「おバカ」であろうが「お下品」であろうが、「お」がつくことは非常に重要なことですね。「お」が似合わないものを書いていらっしゃる作家さんもいるわけです。それを作品のカラー、笑いの作戦として用いるならば、節度としてコントロールされている時点で「紳士」と思います。

 今後も長期活動の自主企画の主催者同士、がんばってまいりましょう! 応援しております。







今回から選出するようになった、ショート作品部門の優秀賞です。

201号室はこちらです。



Gのストラテジー ~俺は、刻の涙を見た!~/猫鰯


【作品URL】

https://kakuyomu.jp/works/16817139555062618252


【ヒトキワ荘・作品ジャンル】

・納涼ギャグ作品(虫部門)



【管理人室より】


 大いに笑わせていただきました。「G」が登場するとはいえ、明るいテンションが売りの爽快な読み心地でした。特におもしろかったのが、一話目のGのフォルム描写、それから二話目のまさかの「フォルム描写つながりエピソード」。

 ショート作品での受賞者は、細かな作品概要と管理人からのあだ名は省略しますが、賞状は差しあげております。

 noteの発表ページに載せますので、よろしければご覧ください。今後もまたご参加をお待ちしております。








 


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