悩み、憧れ、揺れて、気づく。まっすぐな言葉で残そう、君と私の軌跡を。

 美しい言葉と繊細な感性が、心の中に彩を残す。交換ノートとしりとりでつながる少女たちの、青春の一コマを描いた短編です。
 できれば縦読みビューワーで。背景は水色が似合うでしょうか。

 しりとりって、友達と暇をつぶすだとか、他に遊びを思いつかないときなんかにするもの、というイメージがあります。単語を言い合って、苦しくなってきたら罠を仕掛けてみたりして、なんとなーく暗黙のルールを作っちゃったり。
 交換ノートで、しりとりをしようって発想は、まずないですよね。

 この物語では、すでに詩か歌にまで磨かれた二十二文字が、和歌と返歌みたいな美しさで並んでいきます。ときに相手を探り、ときに激しく想いをぶつけ、ふたたび穏やかにたゆたう言葉のストライプ。
 カラー印刷の製本でぜひ見てみたい。あるいは縦書き対応のホームページでも綺麗に映えるかもしれません。

 焦がれて揺れる若い心と、思い切るための切っ掛けを、言葉を交わしながら探ってゆく。そんな瑞々しく清々しい青色のストーリーです。ぜひご一読ください。

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