第四章:殺人の意味(значення вбивства) 後半


 村民たちが設置した障害物を避けて新島々駅を通ったら、曇島村への道は一つだけだ。私のお願いによってスヴィトラナは70kmのスピードを出して瞬く間に村に着いた。

 スヴィトラナが車を停めると、私は透かさず降りてトランクを開けている。薬が入ってある袋を取り出した。

 「秋羽の家は左側のあそこだ。先に行く!」

 私は懸命に駆けた。秋羽、すぐ行くから…!秋羽、私は頑張って薬を手に入れたから、それまで絶対に倒れないで!

 秋羽の家の近くで彼女のお父さんが見えたから、急いで彼に手を振った。

 「大久保おじさん、私は戻ってきた!薬を持ってるから、早く秋羽の所へ連れて行って!」

 「柚依…!やっと戻ってくれたか!」と大久保おじさんはびっくりした。

 私が彼の側に行って止まった後、彼の顔を見たら、彼の顔はやつれて目が腫れていた。悲しい…

 「柚依、怪我はないの?ずっと行方不明だったから、おじさんはとても心配してた…」

 大久保おじさんは私の乱れた前髪を触った。彼は以前よく娘と私の髪を梳かしてくれた。

 「おじさん、私は大丈夫だ。猿さんと鸚鵡さんから…秋羽は酷い病気になったと聞いた…」

「私の娘はもう亡くなってしまった。三時間前に…」

大久保おじさんは頭を項垂れて、微かな声で私が一番聞きたくないことを言った。

「おじさん、今、秋羽がもう亡くなったと言ったの?本当なの?みんなは秋羽を救えなかったの……?」

 私は驚きで目を丸くして彼にもう一度確認した。

 「すみません、私はダメな父親です。すみません…」

 私が持っている袋が落ちて、抗生物質のピルと解熱剤が散らばった。

 「秋羽は酷く怪我をして細菌に感染してしまった。だが、私たちは効果のある薬を持ってなかった。」

 私は悲しすぎて跪いた。なぜ?なぜ私は秋羽の最期を看取るのに間に合わなかった?悔しさと悲しみの涙が私の頬から零れている…

 おじさんも跪いて、私を抱えて声を上げて泣き出した。

 なぜ、なぜ!私たちの車にはあんなに多くの薬があるのに、もう少し早く戻れば、秋羽を救えたかも。なぜ間に合わなかったのか!

 秋羽はもう死んだのなら、私が村に戻ったのは意味がある?


 秋羽は静かに木材の上で寝ている。彼女は死んでもいつも通り美しい。でも、彼女の生き生きとした釣り目は二度と開かない。

 私は秋羽の指を握った。冷たい…もし私は生命力を秋羽に譲って彼女が目を覚ますのなら、彼女の代わりに死んでもかまわない。彼女の魂は今私を見ているのか?私が戻ったことを知っているのか?

 秋羽の手を放したくない。彼女がすぐ灰になるのが分かるから。

 「柚依……もういいよ。私の娘はきっと一番大切な友人が彼女を救うために、必死に村に戻ってきたということを知ってる。」

 私は優しくゆっくり秋羽の手を放して、たいまつを持っている村民のところに向かった。

 「私がやりますね!」

 伝染病を防ぐために、もし人が死ねば、私たちはすぐ死体を火葬する。私は秋羽に墓を立っていて墓の側に花を植えて、彼女を麗しい庭園で永眠させてあげたいが、今は自分の手で彼女を火葬することしかできない。

 「さようなら。私の友達、私たちはもうすぐ会えるようになるかも…」

 私と大久保おじさんは、一緒にたいまつを木材に投げた。秋羽の体はだんだん焔に包まれる。

 この焔も私の心を焼き尽くしたと感じてしまった。

 私はそのような悲しい事に遭った経験がある…私の家族が亡くなったという。しかし、亡くなったのはお母さんかお父さんか?覚えていない。彼たちは大疫病が爆発した後で死んだのか?なぜ私は思い出せない?頭が痛い…

 私は目を閉じて、手で頭を抱えている。頭が痛い…私は今どこにいる?

 大久保おじさんは泣いている。彼の泣き声を聞いた…そうだ!私は曇島村にいて、急いでやらないといけないことがある。暫く家族の事を置いたしかない。

 覇遵会、私は絶対にあなたたちを許せない…私の秋羽も殺されたので、あなたたちにこの罪の代償を払わせないといけない。現在、もしあれらのヤクザを殺す機会があれば、私は再び躊躇いはしない。

 私は振り返って天笠くんとスヴィトラナを見た。二人の大切な仲間が秋羽のように覇遵会に命を奪われるのは絶対にあってはならない。私はやっと殺人の意味が分かった――私は殺人の罪を負っても悪事を尽くしたやつらを懲らしめる!

 

天笠紀序の視界(точка зору норіцуня)


 葬式とは言えない火葬が終わった後、僕たち三人は大久保さんの家に行って、次の行動を議論する。

 「ゾンビと怪物を片付けるだけでとても疲れたので、できれば、進化者たちと戦いたくない、みんなそう思うでしょう?」

大久保さんは嘆いた。娘と別れたばかりの彼の目はずっと濡れている。

 「覇遵会がまた攻めてきても心配する必要はない。俺たちは地勢を利用すれば防御できる。」

ニックネームが「猿」の前野さんは、全然覇遵会を恐れていないようだ。

 「私が心配するのは、あいつらが曇島村を封鎖して持久戦をやること…松本から鹽尻まで集めた食べ物は二ヶ月後に尽きてしまいますから…私たちは松本の西南の田圃で糧食を生産しないとだめです。」

 大久保さんは松本の地図を開いた後、メガネを外して手で顔を遮った。悲しみで疲れてきているようだ。

 僕はこの戦争に巻き込まれるのを望んでいないが、大久保さんたちがかわいそうだとは思う…どうして進化者のヤクザたちは特殊能力で怪物とではなく、同胞と戦って傷つけたのか?

 「ヤクザたちが今どこにいるか、知っていますか?」

 「松本に泊まっているのは知ってるが、詳しい位置なら…」

 「私は手紙を持っています。ここにはヤクザたちが信州放送局に巣くう可能性が高いと書いてあります。」

 スヴィタ姉は手紙を出した。会議に参加した全員は驚く表情を作った。あれ?その手紙はどこでもらった?

 「これは本当ですか?竹島さん、どこからこの手紙をもらったんですか?」

 「前に前川村に泊まった時、ある村民がくれたものです。手紙によると、覇遵会は何回も長野の放送局を使い、生存者を捜すというメッセージを放送しました…しかも、いつも同じ時間帯で。覇遵会のやつらは放送局から遠いところに住めば、きっちり時間を守ることができないと考えます。」

 「なるほど…昔、私は松本に住んでいました。五年前、政府は地域経済を活性化させるために、市中心に商業ビルを建てた。多くの企業が安い価額で借りました。その中に信越放送局もありました。」

 大久保さんは携帯を使い、ある写真を私たちに見せた。

 「みんな、見てください。あのビルにはソーラーシステムとスマートエアコンが付いているので、確かに基地としていい場所です。」

 柚依は目が光って、指で地図に何を描いたようだ。

 「このビルは松本駅に近いから、彼らは市中心で砦を作った可能性がある。では、市中心へ彼らを訪れに行ったらいいんです。」

 「ちょっと待って…柚依、まさか覇遵会に突撃したいの?」

 鶴岡さんの表情を見れば、彼はそれが良くないことだと考えているようだ。

 「ここであいつらを待ってるより、突撃したほうがいいです。スヴィトラナは銃を持って爆弾も作れるので、みんな一緒に戦えば、あいつらを松本から追い出せる可能性があります。」

 ウワ!出撃したいのは平山なんて…スヴィタ姉と長く付き合った後で、彼女も悪い影響を受けて頭がおかしくなったのか?

 「私も突撃に行ったほうがいいと思う。私は村に来る途中で覇遵会の女性幹部を殺したので、二、三日後、あいつらが集合したら、40~50人ぐらいが村に来るかもしれません。」

 「それじゃ、山に撤退して覇遵会とゲリラ戦をやりましょう!私たちは木川村と骸骨温泉へ撤退すれば敵を伏撃しやすいです。」

 「いえ、私たちは山の下で敵を阻むべきです。私たちは懸命に作った身を寄せる所をあきらめて、他の村を戦争に巻き込んではいけません。今逃げるなら、ヤクザたちはきっと曇島村を破壊するでしょう。」

 鶴岡さんは平山さんに計画を反対された後、憤りの表情を作った。

 「逃げるのは恥ずかしいけど、役に立ちます!私たちはゾンビや怪物に対して、逃げる時もあるではありません?」

 「そうだよ、柚依。俺たちは復讐だけ考えちゃだめだ。命を守るのが優先だ。」と前野さんも鶴岡さんに賛成した。

 大久保さんは柚依と目が合い、鶴岡さんのほうを向いた後、深呼吸をした。

 「柚依の言った通りにしよう!私たちはなるべく早く覇遵会を片付けなくてはなりません。まだ冬の糧食を準備していませんから。」

 「大久保さん、本当にそう思うんですか???前回、他の生存者に助けを求めに行かせた人たちの中で柚依しか生き残らなかった…それ以上の人が死ねば、この村は恐らく滅びます!」

 鶴岡さんは不機嫌そうに手を振った。まるで審判に抗議する野球のコーチのようだ。

 「鶴岡さん、私たちには他の選択肢がありません。逃げれば戦争が長くなってしまうので、覇遵会が集結する前に、彼たちをうんと殴りましょう!」

 大久保さんはスヴィタ姉に頭を向けた。

 「ところで…竹島さん、柚依はもうあなたたちの旅で起きたことを全部伝えてくれました。竹島さんが大人の私たちより武術が上手で、覇遵会を撃退することができるのを信じています。戦いが終わった後、報酬として好きなだけ物資を選んでも大丈夫です。」

 「褒めてくれてありがとうございます。役に立てば嬉しいです。作戦を話し合いましょう!」

 やばい、やばい!スヴィタ姉がそんなに微笑むのは、きっと面倒くさい事を考えている!


 お風呂に入った後、僕は大の字になってベッドで寝ている。長い時間言い争った後、みんなはやっと作戦を決定した。でも、僕はもう疲れている。大久保さんをはじめ、村民たちの早く復讐したいという様子を見ると、今回の戦闘は僕とスヴィタ姉が安全ゾーンに着いたばかりの時の戦闘ぐらい激しくなると予想した。あの時は、良い防衛システムがまだ建てられていなかったせいで、昼も夜もゾンビと怪物に攻撃されていた。

 明日、突撃隊が出発した後、僕は村に残り、村民たちと一緒に臨時の城壁を作る予定だ…今回はスヴィタ姉と一緒に戦わない。もう彼女に命令されたくないから。

 ステロイド剤と鎮痛剤を飲んでも腕が固くて痛いままだ。ハア、村に住んでいる整体師のおじさんは僕の肩を見て、骨にひびは入っていないが、関節が脱臼してしいると判断した。彼は「一週間激しく動かず休んで。腫れが引いた後、俺が関節を戻してやれば大丈夫だ」と伝えた。しかし、敵が攻めてくるこの間、僕が休めるのはありえない。

 「紀序くん、肩はまだ痛い?」

 スヴィタ姉はドアを叩いた後、部屋に入った。ホットパンツにキャミソールの姿、あとシャンプーの匂いが溢れているので、彼女もお風呂から上がったばかりのようだ。

 「薬を飲んだから、もう少し休めば大丈夫だよ。」と僕は横向きに寝た。スヴィタ姉の顔を見たくない。

 「あら、冷たい。まだ怒っている?」

 「いえいえ、下僕には怒る資格がない…うわ!」

 スヴィタ姉はベッドに来て、前屈みになって私を見ている。彼女は短いキャミソールを着ているので、雪の如く白いおっぱいが半分以上露出していて、毛細血管も見えている。

 僕は頭を左に向けて視線を逸らした。スヴィタ姉は僕の様子を見ると、快く響く笑い声を出した。

 「紀序くんのエッチ!ほらほら、早く起きて!私があなたの打撲傷に薬を塗ってあげる。」

 僕はパジャマを脱いで、スヴィタ姉に消炎剤を塗ってもらった。

 「スヴィタ姉…今までの事は全て理解できないと感じない?」

 「うん?どういう意味?」

 「学校の屋上でスヴィタ姉と出会った。そして、大疫病が起きて、僕は逃亡の時に貴女と再会した…安全ゾーンに辿り着いたが、こんな場所に連れて来られた…」

 「紀序くん、いつも頑張って私と一緒に戦ってくれるね。あなたは私の自慢の後輩だ。」

 スヴィタ姉は後ろから僕を抱えた。僕たちの顔はくっついているから、ドキドキせずにはいられない。

 「私はね、幼い頃から体が弱かったから、ずっと悔しい…私は辛うじてようやく健康を取り戻せたのに、なぜこの世はこうなったのか?」

 スヴィタ姉は僕に囁いている。僕には彼女の息と二つの豊かな果実が感じられる。だが、体は全然動かせない。例え彼女が吸血鬼で、鋭い歯で僕の首を咬もうとしても、僕はこんな美人に反抗できない。

 「しかし、私は自分しかできないことを見つけた。それは怪物と戦ってウイルスの治療薬を探すことだ。」

 「ウイルスの治療薬を探すって?」

 「柚依の体に宿るウイルスは安定的だ。彼女のある遺伝子はウイルスの体の中での拡散を防ぐのかも。彼女は治療薬研究のキーポイントになる可能性が高い。だから、彼女が生きることを守る必要がある。」

 「覇遵会を撃退した後、平山さんを連れて安全ゾーンに戻りたい?」

 「それは彼女次第だ。もし彼女が病院に居てウイルスの治療薬の開発を手伝いたいなら、医者たちにとって助かるね。」

 もし無事に安全ゾーンに戻れるなら、私は多分二度と離れたくなくなるだろう。

 「スヴィタ姉、本当に覇遵会を襲いに行くつもり?」

 「他の選択肢がない。あなたにも参加してもらいたい。」

 「いいえ、僕はもう傷ついたから、役に立てない。しかも…この戦争は僕に関係ない。」

 スヴィタ姉は眉をしかめた。なぜ僕がこんなに冷たいことを言ったか、考えているようだ。

 「紀序くん、覇遵会がやったことを見て、腹立たしくならなかった?」

 「腹立たしかったけど、自分の命を守るのが一番大切な事だろう?」

 「ヤクザたちが強い力を独占して、好きなだけ他の生存者を支配するのを見ると、私はとても機嫌が悪くなった…だから、柚依を助けてウイルスの力を制御できる方法を見つけようと思うわ。」

 考えなくても自分が厄介な事に巻き込んだことが分かっている。スヴィタ姉は平山さんに希望を託すと決めた。

 「私たちはずっと共に沢山のトラブルを乗り越えてきた。紀序くん、希望はもう遠くないから…将来、私と一緒に幸せに過ごしたくない?」

 スヴィタ姉はまた僕を抱えた…僕は顔が彼女の胸に当たって幸せな気分だ……

 「戦闘に行く時、あなたが銃と弾薬を携えてほしい。村民たちを完全に信用することはできないから、サブマシンガンとピストルは渡さない。」

 スヴィタ姉はいつも通り思慮深い…でも、僕は逆におかしいと感じた。もうすぐ戦場に行くのに、戦友たちを信用できないのかな?

 僕はスヴィタ姉の顔を見て、暫く嘆いた後、頭を縦に振った。

 「Дуже дякую.」

 スヴィタ姉はまた僕の頭を撫でた………


 僕はもう戦闘に慣れているが、戦争に参加するのは初めてだ。大久保さんは十一人の村民、あと僕、スヴィタ姉、平山さんを率い、十五人の小隊を作った。今は曇島村を出て覇遵会を襲いに行くところだ。このような団体戦は規模の小さい戦争に等しい。僕たちは頭と力で他の人間と戦い、相手を殺すか自分が殺されることになるまで止まることはない。どちらかに多数の死傷者が出た場合は、戦争は終わる可能性がある。

 「天笠くん、本当に参加しますか?手がまだ治っていないでしょう…」

 「僕はスヴィタ姉が戦争に行くのを見送るだけなら申し訳ないと感じます。僕の脱臼はまだ治っていませんが、ライフルと弾薬を携えたり、片手でピストルを使ったりすることはできます。」

 僕は右手をまだあまり上げられない、幸い、スヴィタ姉に片手でクロスボウの使い方を教わり鍛えてもらった。しかし、今回は棍棒が使えない。

 「くれぐれも気を付けてください。私はずっと天笠くんとスヴィトラナの側にいます。」

 平山さんはいつも通り優しい。自分のことより他の人を心配する。こんなに優しいお姉さんだけど、僕は彼女の表情から、彼女の決意――覇遵会に復讐するという決意を読み取った。

 「みんな銃を持ってるから、ヤクザたちと正面から戦う必要がない。彼らが私たちに気付く前に、銃殺でいいわね。」

 スヴィタ姉が話しながら、照準器を調整した。

 「分かった。安心してね!私は銃を撃つ時、躊躇わないから。」

 平山さんは真面目な顔で答えた。彼女が拳を握ってジーンズに押し付けていることに気付いた。彼女もきっと緊張しているんだろう。

 「お父さん、お父さん、あたしを連れて行って!」

 僕より年下の少女が大久保さんのほうに駆けて来た。彼女は太刀を持っている。

 「夏羽、ふざけるな!さっさと戻れ!」

 「いやだ!あたしはお姉ちゃんのために復讐しようと思う!」

 「お姉ちゃんを失ったのは一生忘れられない悲しいことだ!あなたも早く死にたいのか?」

 この時、平山はあの夏羽と言う少女に向かっていた。

 「夏羽ちゃん、心配しないで。秋羽の仇を討つのは私たちの責任だから。」

 「柚依お姉ちゃん、私も戦える!あなたたちと一緒にやくざたちを片付けたい。」

 平山さんは嘆いて、夏羽の顔を触った。

 「夏羽ちゃん、進化者と戦うのはどのぐらい危ないか分かるの?」

 「分かってる…だから、一人で残りたくない、もしあなたたちもお姉ちゃんのように…」

 涙が夏羽の目から溢れた。僕は自分が家族と別れたことを思い出して、心が痛い…命は本当に脆いものだ。僕の家族と友達はもういない。

 なぜ命が存在している?今、生きることには意味がある?ゾンビになるか、死を待つか、これが人生の意味なのか?

 「私はきっと生きて戻るよ、夏羽ちゃん。覇遵会を松本から追い出した後、私たちは『故郷』を立て直して、みんなが穏やかな生活を送れる『故郷』を立て直すね。」

 平山さんは夏羽をぎゅっと抱えて、彼女に固く約束した。

 「ここでいい子にして私を待ってて、いいね?もし秋羽が生きていたら、彼女も同じことを言うと思うよ。」

 「はい…柚依お姉ちゃん、お父さんと早く戻ってきてね。」

 「村の猫たちにえさをやるのを忘れないで!お父さんはきっと戻る…じゃ、みんな車に入ろう!」

 ライフルを持った大久保さんは娘に別れを告げた後、バンのドアを開けて運転席に座った。僕たちも車に乗った。

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