完読までの「読ませ力」

 再びユークレース国においては、自国の仕事を終えたラピスが他国の資料を読み漁っていた。とにかく多めに読みたいところで空き時間を見つけては目を通しているらしい。

 だが早く読み終わるものもあれば、ゆっくり読みたいものもある。そして改めて自分の書いたものをつまみ上げ、はぁ、とため息をついた。


「どうも、やっぱり読むのって勢いがある程度必要よねぇ」


 つつつ、と書き上げた文章に指を走らせ、小さく音読する。呟きを耳にして、クエルクスが横から覗き込んだ。どうやら他国の文章と比べているらしい。


「外交文書でしょう。他の国の方々もすっと入っていくものがいいと思うの」

「公的書類ですからある程度の固さは良いかもしれませんが、固すぎたりは確かに読み進めにくいかもしれません。逆に非公式すぎても合いませんね、ユークレースのは」

「まぁ、もちろん内容が一番重要なのだけれど。あまりユークレース独自の言葉が出すぎてしまってもいけないかしら」


 言葉遣いはどうしても癖が出る。それを気にしているらしい。しかし全くなくなってしまうと、ユークレースの報告文として機能しない。

 内容を一として、文体。その双方の兼ね合いで読む側が最後まで読む気になるか、が決まるだろう。あとは文体と読み手の相性か。


「すごく早くに読んでくださる方も多い反面、途中までって方もいらっしゃるのよね。どちらのご評価をどう捉えるか、考えものだわ」

「対策もですねぇ」


 ***


 こんにちは。


 カクコンあと一日半の状況で振り返ってみます。


 自作の長編は完読してくださった方も多いので大感謝、そしてまた、一気読みの方もお一人お二人ではなく、大変嬉しいです。

 その一方で、途中まではPVが一定数ついているけれど、後半に行くごとに減る……というのもみなさま、ご経験があると思います。


 カクヨムコンは完読者数も選考に影響するとかしないとか(実際は分かりませんが)聞いたことがあります。


 悩みます。


 私の文章は、砕けた文章でないのは確かです。

 ゆうすけさんにも先日、「作風が一見さんには受けづらい」ともご意見をいただき、そうかぁー……と悩んでいるところ。これは文体もあるのかな、と……。いや世界観の問題だったらもう救いようがないんですが。


 星がものすごくつく作者様、きっと最後まで「読ませ力」が凄まじいのでしょう。

 読者選考を突破するにはそこが重要なんでしょう。


 その一方で、自作に関して一気読みしてくださる方、読みやすいと言ってくださる方もいらっしゃいます。


 他の方の書き方を勉強するのはいいとしても、無理に文章を変えると私の文章ではなくて誰かの真似になってしまいそうだし。

 語彙をもっと増やすのも課題かな。


「読ませ力」


 欲しい。


「引き込まれた」と言ってくださる読者様が、現状から90%になるくらいには。100はどう考えてもあり得ないでしょうから。


 ある程度、甘ったるくなった『楽園の果実』の短編番外編も完結しました。7200字強です。

https://kakuyomu.jp/works/16816452218402530052


 早速、お星様やコメント、完読ありがとうございます。

 おまけの小話を思いつきつつ、ちょっとナーバスになりつつある土日(寝不足のせいもある)です。


 ここのあたりの対策は、どうしたらいいんでしょうね。

 やっぱりハウツーではないし、書くしかない、ということなのかなあ。


 良い午後をお過ごしください。


 っと公開を押そうとしたら地震が来ました。みなさまお気をつけて。


 

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