タイトル

 月がもうだいぶ高く昇ってきた。夜の海は冷え込む。クエルクスはラピスの手を取って立たせると、持ってきた肩掛けを渡してやる。

 礼を言ってラピスは肩掛けを羽織るが、頭の方は考え事でいっぱいのようだ。指を折りながら数を数えている。


「なんですか、それ」


 桟橋をゆっくり歩きつつ、クエルクスが尋ねた。


「うん、向こうの国に記録を送るときに、やっぱりそれぞれの部分は項目立てするべきでしょ。いくつ必要かな、と思って」


 確かに全部まとめて渡してしまうと読みにくいことこの上ないし、はっきり言って疲れる。全体にすると長くなるのは目に見えているのだ。どこまで読んだか、目印になるものも欲しい。


「項目名なら、ぱっと見てわかりやすいものがいい、でしょうか」

「統一するのも悪くないかな、って思うの」


 前に見た似たような類の文書を思い出す。色々な表題の付け方があったはずだ。記憶を辿りながら、クエルクスも一緒になって考えた。ラピスの能力に余る方法は取り難い。


「統一、ですか。それは……割と面倒かもしれません」

「楽しいところもあるけれどね」


 ***


 こんばんは。

 突然ですが皆さん、表題ってどうしてますか? 各章の表題です。

 パッと見てみると、本当に皆さんお話ごとにそれぞれですね。シンプルに番号だけ降ってあるものもあれば、全体が小さなエピソードの集合なら、第一部、第二部、とエピソードの内容がタイトルになっていたり……。旅のお話では土地名+数字というのもあります。


 パッと見て内容がわかる方がいいのかな、それとも暗示的なのがいいのかな、どうなんでしょう。

 そして各章の話数はどうしてますか? 単発? 必要なだけ? 揃える?


 私は、というと。


 長編のタイトル付けと章の話数は、途中から「試練」の一つになっています。と言っても「楽しみ」の試練です。


 タイトル縛り、話数縛り。


『時の迷い路』は、各章のタイトル「漢字二字」縛り。各章四話ずつ。

 昨年コンテストに参加した『天空の標』は、『時の』の姉妹作なので同様。ただしこちらは各章三話ずつ。


『天空』から例を取るとこうなりました。


 入城

 異事

 偵知

 始動

 思惑

 交渉

 伝承

 友誼

 波瀾

 凶兆

 誘惑

 秘事

 抜刀

 真意

 鳴動

 火焔


 話数は必ず内容がそこにぴったりハマるというよりか、緩やかにタイトルにあった話が入る、と言った程度です。各章の全てのエピソードがタイトルに合うとは限りません。


 これに続き、時の迷い路と天空両方のネタバレ番外編『恒久の絆』も二字縛り。

 ちなみに『天空』『恒久』と揃ってもう一つの番外編は同題異話SR『間違いなく君だったよ』は、副題「誓護の剣」。前者二つと「〇〇の△」で揃えています。


 このタイトル縛り、楽しかったです。

 でも二字単語は大変だったのも確か。そこで『楽園の果実』は別の縛り方をしました。


 うん、こっちもそれなりに悩む羽目になりました。


 こういう本質的ではないところなんだけど凝りたくなってしまうんですよね。性分かなぁー。


 皆さん、タイトルの工夫、どうしてますか? 教えてくださいませ。


 お返事が遅れておりまして恐縮です。

 でもとっても嬉しい! どしどしお待ちしてます。絶対お返しはします。お返事書くのも楽しみです。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る