第3話 憧れの場所へ

カナダの大学で4年間、IT関係の勉強とアニメ関係の勉強し、俺は大学を卒業した。

長かった…すごく長く感じてしまった。


家族のみんな、特に父親は大学を卒業した後は好きにしていいと言った。ただ、本音はカナダに残って欲しいらしい。そんなん知らん。俺は日本に住む……と思ったがそううまくいかない。

なぜならカナダの大学でIT関係の勉強したとはいえ、いきなり日本に行くのはリスクがデカすぎる。仮に、日本で仕事が貰えなかったら、それこそ一生カナダ住みだ。

しかもアニメ関係はまだ知識が足りなくって無理だ。


そこでは俺はカナダの大手IT会社に勤めた。なぜ、そこへ勤めたというとその会社は日本にも会社があり、半日本人である俺は入社後そっちへ送られるかもしれないからだ。



入社し、一年間、鬼にように仕事をしそして、26歳になった俺はついに日本の会社に行ける事になった。上司には前々から日本の件言ってあったし、上司も「優秀な君だったら日本の方も任せられるだろう」と言ってくれた。


26歳で青春は取り戻せるのか?とも思ったがこの際、もういい。カナダの大学に入った時から俺の青春は枯れ果て、大地へと戻った(?)




そして、俺は憧れの日本へ、一人で旅立った。



羽田空港行きの飛行機にて

『皆さま、まもなく着陸体制に入ります。お席にお戻りになり、シートベルトを着用して、お待ち下さい。」

26歳にもなった俺は毎回、このアナウンスでうるってなってしまう。

着陸し、飛行機から出るせいもCAさん達が皆が笑顔で

「ありがとうございます、いってらっしゃいませ。」

と言い

俺は軽く頭を下げて、荷物やら入国審査やらを済ませ、空港の外で出た。

結構、チラチラと人に見られてた気がしたが、そんなのはもう慣れたもんだ。こんなどこの国の人か分からない未確認生物、誰でも見に止まってしまう。


とりあえず、タクシーに乗り、会社へと向かった。

日本での実家は兵庫県だが会社は東京だし、姉は大学を卒業し、すぐカナダへ帰国して仕事を始めたので一応、東京に住む事になった。

会社で色々手続きを済ませ、自分の家へ向かった。家は会社の方から提供してもらったマンションだ。一応、仕事は他の人よりは仕事をやってたので住む場所だけは向こうが用意してくれた。


帰りにスーパーにより、いる物を一通り買い、家へ行った。


「でっか」

マンションの前に立ち、俺は言った。というかこぼれた。

見せてもらった写真では見たけどやっぱり凄い所だなぁ、なんて考えながら中へと入った。

ここはホテルか、ていう感じの広々としたロビーだった。至るところに座る用のソファーが置いてあったり、水槽なんかもある。

とりあえず、カウンターに向かった。あらかじめに連絡を入れておいたのですんなりとルームキーをもらった。ますますホテルかっと思った。

エレベーターに乗り、自分の部屋がある10階を押した。


「35階まであるにかよ、、」

またつい口から溢れてしまった。


ピン〜、とエレベーターが止まり、扉が開いた。廊下に出て少し柔らかいカーペットを踏みながら自分の部屋の1019番を探した。


「あ、あった」

自分の部屋を見つけ、テンションが上がり、またまた声が出てしまった。

さっきもらった、ルームキーを使い、中へと入る。

長い廊下があり、終わりには一枚のドアがあった。廊下の横にもいくつかドアがある。左右のドアを無視し、俺は一番奥のドアを開けた、広々としたリビング、そしてカウンターがあってその向こうにはキッチンもある。大きい窓からはオレンジ色の夕日の光が差している。




「ついに来たぞ、日本」



マラソンを完走した気分になり思わず言ったがまだまだやる事は山ほどある、よし、と気合いを入れ直し、俺は作業を始めた。



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