第2話 スタートライン

 アシアさんに貰ったお金を持ち、僕は町を走っていた。


「はぁ、はぁ、はぁっ………。」



 息を切らしながら、走り、ようやく店に辿り着いた。


 僕はさっそくステータスカードを手に取り、店員さんに渡す。


「これください!」

「はいよ。」


 店員さんにベルを渡し、ステータスカードを受け取る。

 僕は店の外に出て、ステータスカードを眺める。


「僕の物………なんだよね!」


 自然と顔が緩む。

 ステータスカードを持った物はようやく冒険者として認められる風習がある。


 僕はようやく冒険者としてなれたのか……っ!!


「何あの子。にやにやしてるよ?」

「こら、見ちゃだめよ。」

「気持ちわりぃーな。」



 …………。帰ろうか。



 家に帰るとさっそくステータスカードを使って見る。


 カードからだんだんと文字が浮かび上がっていき、ステータスが表示されていく。その事に僕は感動を覚える。


「まぁ、ステータスは変わってないけど。」


 そう苦笑しながらも、僕はステータスカードを机に置き、ベッドに転がる。


「……今日から僕もレベル3かー!」


 冒険者になり、二度目のレベルアップ。レベル3になるまでに四ヶ月もかけたのはなんとも言えないが……。


 まぁいい。これからだ。これからどんどん冒険をして強い敵と戦っていくんだ。そうしたら夢に近づくかもしれない。


「えへへ、えへへへ……。」


 自然と笑みが溢れる。いけないいけない。この癖を治さないと。


「……ご飯食べよ。」


 辺りはもう暗くなっており、ちょうど夕食の時間帯だった。


 僕は家に残っているパンを取り、齧るのだった。

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