第22話 勇気をくれた意外な人







その日、僕は初めて、父さんの不安そうな声を聴いた。


僕が日本に帰るまで、予定ではあと二カ月と少しになっていた。でもその夜、父さんから電話が掛かってきて、「日本では今、会社の身売り話が持ち上がっている」という話を聞かされたのだ。それで、もしかしたら僕が日本に帰るのが早まるかもしれないとわかった。


“…会社の業績は…正直言って悪い。お前も一度私に聞いてきたが、もう二期も赤字が続いている中で、低迷を続けている状態だ…再建のプロジェクトチームは動こうとしていたが、銀行がなかなかうんと言わないまま…”


電話の向こうの父さんの声が聞いたこともない頼りなさに揺れ、父さんはくたびれていたようだった。



それまで父さんは僕に、「状況は大して良くない」、とだけ言っていた。赤字について父さんに疑問を投げかけたこともあったけど、父さんは「今、変えるために動いている」と答えただけだった。


僕にそう言っている間、父さんは「まだ自主再建ができるかもしれない」という望みを持って、資金集めに奮闘していたらしい。でも、どうやらそれは難しいらしく、この国に居る僕を呼び寄せて早く経営を覚えさせ、最低でも代表権を持たせてから、新しく社長を迎えると父さんは言っていた。


“もちろん、こんな状態で新社長に会社を渡すのは残念だし、私も納得はいかないが、私の働きが評価されなければ私は退いて、お前は新社長の下で働いてもらうことになる”


僕は、心細くて目の前が暗くなりそうなのを堪えて堪えて、なんとか「わかりました。そのつもりで僕も努力します」とひねり出した。






「もしもし、僕だけど」


“はい、こんばんは。どうしたの?今日はずいぶん遅かったね。もうこっちは一時近いよ”


「うん…実は、少し日本に帰るのが早くなるかもしれない」


“ええっ!?本当!?”


電話の向こうで、美鈴さんの嬉しそうな声がする。それなのに、僕は足元にある沼にどんどん足を引き込まれていくような不安が、消えない。


でも、会社の内情を美鈴さんに話すわけにはいかなかった。もちろん決算書などは公表されているから、ある程度までの「良くないんだ」という話はできるけど、僕は僕で、抱えておかなければいけないものを、もう父さんから聞かされていた。


「うん…でもね、それは業績がそんなに悪いからで、そのために早く僕に仕事を教えたいという、父さんの考えでもあるんだ。だから、日本に帰ったら、それこそ会える時間があるかはわからないし、電話もできなくなる…」


美鈴さんが息を呑んで、それから、僕に悟られないようにゆっくりと細く、それを吐き出す気配がする。


“そっか…でも、お仕事は仕方ないし、私ちゃんとわかってるもん、心配ないよ”



僕はその時考えていた。父さんが最後に僕に言い渡したことを、美鈴さんに言うべきか、言わないべきか。


父さんは、あの電話の最後にこう言った。



“うちを買収ではなく共同経営にと言ってくれている会社には、若い令嬢がいて、お互いに婚姻関係であればやりやすいこともあろうとの打診があった。親族経営が伝統の大きな企業だ。だから…日本に帰ったら、その令嬢に一度会ってみなさい”


それを聞かされた時の言い知れない困惑が、僕の胸に蘇る。でも僕はスマートフォンを耳に当てたまま、小さく首を振った。



「うん…ごめんね。日本に戻ったら、必ずまず一度は家に行けるようにするから」


なるべくいつも通りの声で、美鈴さんにそう言っているけど、僕は不安で仕方ない。


“うん!待ってる!あとどれくらいになりそうなの?”


「そうだね、一週間くらい…」


僕はそう言いながら、先にあることを考えていた。相手の会社の令嬢に会うこと、そして、断る術がほとんど無いこと…。


すると急に、電話の向こうからは何も聴こえなくなった。僕は電波が弱くなったのかと思って、スマートフォンの向こうに呼び掛ける。


「もしもし?美鈴さん?」



“…馨さん、何か悩んでる?”



僕の背中が、冷たい水を浴びせられたようにヒヤリとした。美鈴さんが、おそらく僕の声から、わずかな違和感を捕まえてしまった。慌てて僕は、彼女に代わりに言える言葉を探す。


「なんでもないよ、会社のことで…ちょっと美鈴さんには話せないけど、大変なことがあって…」


思わず僕の口調は尻すぼみになってしまったけど、美鈴さんは疑問が晴れたような声になって、納得してくれた。嘘は吐いていないけど、彼女に向かってはぐらかすような言い方をした自分を僕は責めながらも、「仕方ないんだ」と自分に言い聞かせてから、電話を切る。それから僕は、深く、震えるため息を吐いた。



僕は、この縁談をなんとしても駄目にしなければいけない。でもそうすれば、会社が立ち行かなくなるかもしれない。僕が頼れるのは自分だけで、それも、できるかどうかなんてわからなかった。





それから日本に帰るまでは、僕は働く意欲も出ず、食欲すら湧かなかった。かといって、仮病などで仕事を休むつもりもない。現地で仲間になったみんなとの別れを惜しむ食事会に出席して、楽しい時を過ごしている間も、僕は姿の見えない“令嬢”の影に怯えていた。



そして食事会から帰った夜、父さんからの電話で、とうとうこう聞かされた。


“買収か共同経営かの分かれ道にまで来た。銀行が頑として、経営再建のためにはどちらかが必要と言い張って聞かない。そうでなければ銀行の人間が出張って来る。独立再建であれば手を引くと言われた。会社を売り渡すなんて、できるはずがない…”


父さんの声は、現状が不満なのか少し尖っていたけど、追い詰められたように疲れていた。


“…すまないが馨、あの話を真剣に考えてみてくれ”


「…はい…」


おそらく“令嬢”との結婚話だろうと思う。こんなんじゃ、「考えるだけ考えたけど、やっぱり嫌です」なんて言える状況じゃない。相手がどんな女性だろうが、親族経営を望む会社に助けてもらうのだから、結婚を拒否したら再建自体を拒否することになってしまう。


父さんはいくらかすまなそうな声で、「悪いが、このあと会議がある。本当に、頼むぞ」と言って、電話を切ってしまった。



「…どうしよう…?」



やっと電話が終わってから、僕の口から出てきたのはそれだけだった。「嫌です」とも、「僕にはもう相手がいるんです」とも、何も言えなかった。でも、どこかでそれを言わなければ、僕は美鈴さんではない誰かと結婚することになってしまう。



そんなの、嫌だ。







日本に帰る時には、仲間が空港まで何人か送ってきてくれて、僕は抱きしめてもらったりして、親しみを込めて送り出された。いい職場だった。名残惜しいくらいだ。それに日本に帰れば、僕はやりたくないことをやらなくちゃいけない。なおなお名残惜しくて、それでも仲間に手を振って、笑顔で別れた。



帰りの飛行機では、一睡もできなかった。夜の便だったし、翌朝から都内の本社で働くのだから、眠らなければいけなかった。



「相手の令嬢が僕をどうしても気に入らなければ、この話は破談になるはずだ」、なんて甘い見通しは通用しないだろう。その彼女だって、自分の家の会社のためと思って、なんとも思っていない僕との結婚を、すでに承諾しているんだろうし。僕はそこでふと、「そんな覚悟は辛いだろうな」、という気持ちになった。でも、そんなことはどうだっていい。



チャンスがあるとするなら、令嬢と二人きりになれた時だ。僕の素直な気持ちでその彼女を説得するしか、僕には方法が思いつかない。どうにかして、うちの会社が駄目にならない方向で。虫の良い話だろうとなんだろうと、僕はそうしなきゃいけない。



そう決めて、いわゆる「お見合い」の日までを、僕は待つことにした。





それから僕は日本に帰ってすぐに、なんの障害もなく役員の一人になって、代表権は持たないまでも、経営に携わることになった。



そのポストに就いて仕事を始めると、不思議なことに、僕はどうやら商売に向いているらしいということが、わかった。必要な情報を集めたら、それに合わせて各部署に大体の具体的な指示を出す。すると、少し満足のいく結果がついてくる。


あとは資金集めだけど、これは才能というより、相手を力づくで言い包めるような度胸がない僕には、少し荷が重そうだと感じた。父さんが銀行と資金繰りについて話し合う場で、僕は隣に座らされて父さんの喋ること、銀行の役員の頑なな態度を見て、そう思った。



それらを一回、二回と会議を経ながら試すうちに、じりじりとお見合いの日は近づいていた。業績は少しずつ上向いているとはいえ、三期目の赤字が出る前に、この話をなんとしても成功させなければいけない。また、僕にとっては、「縁談は失敗にして事業の再建は成功させる」という、なんとも都合の良い二つの要求を通すつもりの話だった。






当日の朝、僕は母さんに入念に服装や持ち物をチェックされていた。その時僕は、いつまでも僕を子供扱いする母さんに少しうんざりするような身近な気持ちと、「必ず令嬢を説得する、これは交渉なんだ」という非日常的に張り詰めた緊張感の二つを感じながら、母さんが僕にまといつく疎ましさの方が、よっぽど有難いんじゃないかと思った。


「これでよし。それじゃあ出発ね。母さんたちは支度は済んでいますから、荷物を忘れずに、車に乗りましょう」



僕たちは父さんの運転する車に乗って、都内の一等地にあるホテルに向かった。運転をしている父さんは黙っていて、時たまちらりとバックミラー越しに僕の姿を確かめては、僕から目を逸らした。それは、僕に謝るのを我慢しているように見えた。


母さんは車の中で相手の令嬢の話をして、興奮を抑えているような素振りを作っていた。“私たちは令嬢のことを気に入っているから、あとはあなたの気持ちだけ”。母さんは必死に喋り倒しながら、自分でもなんとかそう思おうとしているようだった。母さんは笑顔なのに、その眉はどこか悲し気に寄せられていた。






車はホテルの駐車場に滑り込み、僕たちはボーイにエレベーターと廊下を案内されて、少しだけ広めの個室レストランに通された。樫か何かでできた楕円形のテーブルの上にはクロスが広げられ、ナフキンが綺麗に折り畳まれていた。そして六人分の前菜の皿が並び、フォークから順にカトラリーが並んでいる。個室の前で待っていて、ドアを開けてくれたギャルソンが椅子を引き、僕たちを席に就かせる。


「もう一方のご予約の方は、あと十分ほどでお見えになるとの御連絡が御座いました。前菜をお召し上がりになって、もう少々お待ち願います。御用の時は、そちらからお声をお掛け下さい。それでは失礼致します」


ボーイは、今初めてその言葉を知ったような丁寧な口調でそう言ってから、ドアを閉めた。まず母さんが喋り出す。


「どんな方かあなたはまだ見ていないけど、とてもいい女性だと思うわ」


「さっき聞いたよ」


僕が少しつっけんどんにそう返すと、母さんはそれきり黙ってしまったけど、今度は父さんが、母さんの向こうから身を乗り出してきた。


「なあお前。急な話で混乱しているだろうし、お前が望んでいないのもわかる。ただ、少しだけ前向きに考えてくれないか」


「…わかっています」


テーブルの向こうには、僕たちが座っているものと同じ造りの、青いビロード張りの三つの椅子がある。僕はその真ん中の席、自分の目の前にある椅子を見やった。ふと、そこに座っている美鈴さんを思い浮かべてしまい、慌てて下を向く。でもすぐに顔を上げて、僕はもう一度彼女の影を見た。



そうだ。僕の相手は彼女なんだ。そこから目を逸らしたくなんかない。



僕がそう考えていた時、出入り口の向こうからかすかに絨毯の上を滑るような足音と、女性の話し声のようなものが聴こえてきた。そしてゆっくりと、ドアが開く。



ギャルソンの後ろから現れたのは、感じの良い壮年の男性で、白髪がだいぶ多いグレーの髪を左右に分けてきっちりと撫でつけ、三つ揃えのスーツの右ポケットから、時計の鎖を覗かせていた。


その人が足先の丸い革靴を踏み出し、後ろから少し年下くらいの綺麗な女性が、音もなく部屋に入ってくる。その女性はクリーム色のツーピースのワンピースを着て、首元には赤紫のスカーフをふんわりとまとって高めのハイヒールを履き、綺麗な茶色の髪を、頭の上で玉のように丸めていた。


そして最後に、“令嬢”が現れる。


綺麗な人だった。これだけの美貌があれば、なんの苦労もないんじゃないだろうかと思いたくなってくるような、もちろん人の人生にそんな保証なんかあるわけはないけど、そう思ってしまうような、綺麗な女性だった。


彼女は、白い生地に桃色の花模様が入ったしなやかなワンピースを着て、肩に白いレースのショールを掛けていた。彼女の綺麗に梳かれた細い黒髪は、前髪だけが後ろでまとめられて、ショールの上にふんわりと乗っている。靴は桃色のハイヒールだった。


彼女はまだ十八歳くらいに見えて、薄い頬の肌は赤みが差していて、強く輝く黒い瞳と少し尖った顎が、活発な女性のような印象だった。その彼女が、入口近くからこちらに向かって小さくお辞儀をして、僕を見る。


普通の男性ならそれだけで参ってしまうような美しさのある人だけど、どこか妙な感じがした。彼女の表情はその時、好意的な笑顔ではなかった。僕は不思議に思ったけど、今はそんなことで寄り道をしている暇はない。「おそらく二人きりで話す時間は取れるはずだ」と緊張して、思わず彼女に会釈を返すのを忘れかけた。僕が顔を上げると、彼女はテーブルの向こう側に回り込むところだった。


「初めまして、馨さん。わたくしは加賀谷辰雄です。妻の幸恵と、こちらが娘の華蓮です」


椅子に座る前にそう言ったのは、向こう側の父親の人だった。僕は、「初めまして、上田馨です」と返して礼をし、一応、令嬢の華蓮さんの顔も見る。その時僕は驚いた。彼女は僕から目を逸らさずに、まるで僕を値踏みしているような表情をして、慎重に僕を覗き込んでいた。思わず僕はうつむく。


「そう堅くならないで下さい。今日はただのお話までですから、緊張せずに」


「は、はい…よろしくお願いします」


「じゃあ、食べながら自己紹介からなんて、お決まり通りになりますけど、お話してみましょうか?お嬢様はおいくつでしたかしら?」



その後、僕たちは無口なギャルソンが運んでくる食事を食べながら、母さんがいろいろなことを令嬢から聞き出した。


父さんはあまり喋らず、不思議なことに華蓮さんもあまり喋りたがらずに、ご両親ばかりが喋っていた。そして、華蓮さんは今、女子大に通う十九歳であること、趣味は“少し”ピアノを弾くことと、プールで泳ぐこと、成績は良い方であること、それから友人が多く、やっぱり活発な人であることなどが、僕にわかった。


僕はそれらすべてを興味深く聴いている振りをしながら、「それじゃあ、ここからは二人でお話をしてみましょうか」と、どちらかの母親が言うのを待っていた。


気が進まないながらも、僕はできるだけ丁寧に優しい声で自己紹介をしたけど、その間も華蓮さんは、どこか厳しい目で僕を見ていた。彼女が美しいだけに、それは一層冷たい表情に見えた。そのことは僕に、「どうやらこの人は僕を気に入っていないようだ」という淡い希望を持たせてくれた。でも、どうやってそれを彼女から聞き出し、そして自分の希望通りの話をしようかについては、考える暇はなかった。そして、ついに加賀谷さんの奥さんの幸恵さんがこう言う。


「じゃあ、お食事も済んだことですし、二人でお話をしてみますか?大丈夫かしら?馨さん、華蓮も、よろしいかしら?」


僕は待ちにに待った時がついに来たことに、「はい。大丈夫です」とはっきり返し、華蓮さんも「はい」とだけ短く返した。


母さんと父さんは僕に励ますような微笑みをくれてから、そして加賀谷さん夫婦はどこか申し訳なさそうに僕に会釈をして、ドアから出て行った。そして、三秒も経たないうちに、華蓮さんは僕をまた驚かせた。



「あなた、馬鹿馬鹿しいと思わないの?」



目の前に居る十九歳の女の子は、明らかに不満そうにそう言って、大きなため息を吐く。僕は急な彼女の言葉にびっくりしてしまって何も言えなかったけど、彼女はじれったそうにこう続けた。


「親同士が決めた会社のための結婚なんか、嫌だと思わないの?聞いてるの?」


「え、いえ…その…」


僕は、彼女の態度が想像とは全然違ったことで、一体なんと言えば正解なのかが、さっぱりわからなくなってしまった。でも、どうやら彼女は「僕を気に入っていない」どころか、この手段そのものを絶対に受け入れないつもりらしい。それなら、と、僕はテーブルに身を乗り出した。


「僕も、本当のことを言うと、今結婚をするわけにはいかないんです」


「そういう顔をしてたわね、私を見て」


「そうですか…」


そこで僕はちょっと恥ずかしくなった。どうやら僕より数段度胸が据わっていて、さらにとても目ざといらしい彼女の目に、その時の僕がどう映っていたのかと思うと。でも、僕は急に気持ちが軽くなって、勇気が出てきた。そこで彼女は少し首を低くして小さく低い声でこう言う。


「でも、うちの親は意見を変えないわよ。それに、私の話も聞かない。だから、これを駄目にしたいなら、あなたが本当の話をするしかないわ。素敵な彼女の話をね」


彼女は少しおかしそうな顔をして、そんなことを言った。そこで僕はまた現実と相対することになって、あっという間に気持ちが萎んでしまう。


「それから、一期で会社を立て直してみせる。大変ね、社長息子は」


「あんまり気軽に言えることじゃないですよ…」


僕はたった二言三言で、十九歳の子にやり込められてしまい、汗をかいて頭を抱えていた。彼女はちょっと面白そうに微笑んでいて、その時の顔は初めて素直に見えた。



「やるしかないわよ。男なら。それじゃあこれで話は終わりね。両親にはこう言っておくわ。“また次のお話で”ってね。その時までに、勇気を出して」



彼女はそう言うと、肩に掛けたショールを片手で押さえながら優雅に立ち上がり、ドアに向かって歩いていった。







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