少女よ、赤光と飛べ

秋空 脱兎

プロローグ

星空を掴もうとして

 カシオペアに手を伸ばして、私は炎に包まれた。



 炎の中で、私は見た。



 赤い光になって宇宙を飛び回り、宇宙の平和を脅かす悪魔のような青い光を追った。


 惑星が滅ぼされるのを防ぐ事ができず、衛星の一部ごと吹き飛ばされそうになり、時に恒星から力を分けて貰い、死に物狂いで追い続けた。


やがて、ある惑星系に突入した。


小惑星の帯を滅茶苦茶に破壊しながら、長い時間をかけて、命も魂も削って悪魔と戦い、ある惑星の衛星でとうとう後一歩まで追い詰めた。


 トドメを刺そうとしたその時、悪魔の向こうに浮かぶ、青く輝く惑星が目に飛び込んできた。



 このままトドメを刺そうとしたら、あの惑星に被害が……。



 そう思って動きを止めた時には、悪魔が青い惑星に向けて飛び去っていた。


 悪魔を追いかけて慌てて飛び立って、悪魔と、螺旋を描いてもみくちゃになりながら墜ちていって、そして──

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