第15話

秋葉原にいる時間も少なくなってきて、俺たちはいよいよメイドがいるという店にやってきた。

「――いらっしゃいませー!」

店内に入るとメイドのコスプレをした店員がこちらに駆け寄ってきた。

メイドがいる店と言うのは、メイド喫茶というものだった。

メイド喫茶については聞いたことはあるが、こうして来ることも、メイドを見たりするのは初めてだ。

「3人でよろしいですか?」

「あ、はい」

「それでは、こちらの席にどうぞー」

「あ、ありがとうございます」

そのメイド店員に席を案内され、俺たちはその席についた。

周りを見てみると、基本的には男性客しかいないようだ。

それはそうなのかもしれない。

メイド自体が好きだから来ている、という訳ではなく、メイドのコスプレをしている人が好きだから来ているという感じがある。

ここのの店にいる店員は、全員が胸が大きい。

まあ、人によって大きさは違うが......小さい胸のメイドはいないらしい。

なるほど......。

「ご注文はなににしますか?」

と、そんなことを考えていると、さっき席に通してくれたメイドが注文を聞きに来た。

実際の所、俺は全然メニューは決まっていないのだが......。

とりあえず俺は、朱莉とゆあと一緒にメニュー表にざっと目を通した。

「それじゃあ......コーヒーと......朱莉はなにがいい?」

向い側にいた朱莉に訊くと、

「じゃあ......サラダと、ジュースでお願いします」

「はいよ、ゆあは?」

隣にいたゆあに訊くと、

「私は......朱莉と同じのでいいかな」

「じゃあ、コーヒー1つと、サラダ、ジュースを2つずつで」

「かしこまりました、少々お待ちください」

注文している時に思ったことは、やっぱりメイドは胸が大きいなってこと。

別に見ようとはしていないが、大きいので視界に入ってくる。

でも、残念ながら俺は小さいのが好きなんでね。

「メイドか......」

「どうですか?気に入りました?」

「えっ、あ、いや、そもそも俺は小さいのが好きだからあんまり......」

「そうでしたね!悠真さんは、小さい子が好きですもんっ」

この発言は、どう捉えればいいんだ?

とりあえず、帰りの時間になるまで俺たちはこのメイド喫茶でのんびりと過ごした。



その日の夜。

俺たちは普通に何もなく帰れたし、その後の予定としては俺は小説を書くことだった。

まあ、朱莉たちは普通にリビングとかでのんびりとしていた。

そんなこんなで時間はすっかり夜の7時になっていた。

「ふぁぁ......お兄ちゃぁん......」

リビンにて。

俺はリビングのテーブルの上にノートパソコンを広げ、小説を書いていた。

その時、欠伸と共に目をこすりながら俺の所にやってきたゆあ。

「ど、どうした?」

どうしたのだろうと思い、俺はゆあの方を向くと。

「んにゅー......私と一緒にお風呂入ってー」

なにを言い出しかと思えば、それはゆあからのお願いだった。

「お、お風呂!?ゆあと?!」

ゆあとお風呂に入ること自体に驚きだった。

というか、もうそんなことを言い出せるようになったとは......これが、えっちな事に興味があるからなのか.....?

「だめぇー?」

「う、えぇと......」

甘えるような声で、しかも俺の太ももあたりに、ゆあの小さい顔をこすりつけながら言ってくる。

うーん......これはすげーかわいい。

と、とにかくだ......ゆあと一緒にお風呂か......うん、入ろう。

「......いいけど」

「ほんとっ?ありがとうー」

俺が了承をすると、ゆあはその場で跳ねて嬉しがっていた。

で、でも......ほんとに入っていいのかなこれ。

幼女と一緒にお風呂って......あ、たしか前にも一度朱莉と入ったことがあったような......まあいいか。

とりあえず、今日は幼女のゆあと一緒にお風呂に入れることなってしまった。

「じゃあ......8時ぐらいでいいか?お風呂」

「うん、いいよー」

ゆあはそう言うと、再びリビングのソファーで寝転がった。




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