第13話

秋葉原につき、俺たちは大通りを歩いて行った。

大通りを歩けば、アニメショップやら同人ショップやら、ゲーム売り場やらなにやら......そういう店に出入りする人は、大体が男性だった。

さすがはオタク文化が盛んな街だなと思った。

「わー、すごーい......」

俺の右隣では、ゆあがその街並みをきょろきょろと眺めながら歓声を上げていた。

「これまたすげーな。ほんとに、オタク文化だったとは」

俺もゆあと同じく、歓声らしき声を上げた。

「それで、悠真さんは買いたいものとかはありますか?」

すると、左隣にいた朱莉が俺に訊いてくる。

「んー......いや、あんまり考えてないんだよ実は」

「そうなんですか?じゃあ、買いたい物があったら、私が買ってあげますよ」

「えっ?いいの?」

「もちろんです!」

おお......俺は、幼女のお金で色々と買えるらしい。

この機会ってなかなかないだろうな普通。

「ええと、お金の上限とかは?」

と、俺が朱莉に訊くと、

「ないです。なので、思う存分買いたいものは買ってくださいね?」

と、迷わずにきっぱりと言った。

これは......買いたいものが色々と頭の中に出てきた。

漫画、ラノベ、フィギュア......等々。

「というより、遠慮せずに買ってもらった方が、私としても嬉しいですし。その、なにかお役にたったような感じで」

朱莉はそう言い俺に向き直ると、にこっと笑顔を見せた。

......なんて素晴らしい幼女なんだ君は!

「もちろん、ゆあもねっ」

「ん......ありがと」

ゆあも、朱莉に少しだけ笑顔でそう言った。



時刻はすでに2時過ぎ。

お昼については、近くにあった定食屋みたいなところで軽く昼食はとった。

とはいえ......俺は、今まで朱莉が作ったご飯を基本的に食べていたので、やっぱり朱莉が作ったご飯は美味しいなとその時思った。

別に美味しくない訳ではないのだが、というか普通に美味しかったのだが、どうしても比べてしまったのだ。朱莉が作ったご飯と。

まあそれはさておき、俺たちがやってきたのは、ラノベが売っている所。つまり、本屋と言ったらいいのか。

ラノベと同人誌が混ざったという......なんとも言えないような本屋である。

まあでも、さすがに俺は同人誌は買わない。

ロリコンだから思うけど、なんで同人誌の表紙って、おっぱいが大きいヒロインしかいないのだろうか。

おっぱいが小さいヒロインが表紙にいてもいいと思うけどなぁ。

何となくは分かる。そもそも、男性っておっぱいが大きい方が好きっていう人が多いから。

そもそも、小さい方が好きっていう人は、あまりいない。

小さいのが好きっていうのは、大体はロリコンが多いと思う。

でも......なぁ。

おっぱいが小さいヒロインが表紙でもいいと思うんだけどね俺は。

俺的に考えれば、おっぱいが大きいと見た目的にもいいし、大きい方が好きっていう人が多いからそういう表紙なんだろうな多分。

......これについてはここら辺で。

「ラノベ......ですか?」

「うん、俺の小説で何が足りないのかっていうヒントがあるかなと思ってね」

「なるほど。ここには、悠真さんの小説ってありますか?」

「いや、無いと思うよ。そもそも、売り出したことないから」

「残念です......」

「と、とりあえず、朱莉が良いと思ったラノベ5つぐらい持ってきてくれない?」

「あ、はい、分かりました」

俺がそう言うと、朱莉はすぐに店内を歩き出した。

「そういえば、ゆあって小説読むの?」

「んー......あんまり読まないかな。そもそも、字ばっかの物は好きじゃないから」

「あー......」

たしか、そういう友達が俺にいた気がする。

「ってことは、漫画とか?」

「漫画は、たまに読むかなー」

俺とゆあは、店内を歩きながら話していく。

「例えばどういうの?」

「アニメの漫画とかー、エッチな漫画とか」

「............そ、そっか」

小学4年生ながらにして、そういうエッチな漫画を読むとは......色々とすごいな。

「ほ、ほら、ゆあが読みたい物とか買ったら?」

「あ、うん、そうするー」

俺はそう言うと、ゆあは周りを見渡しながら、俺はゆあの近くにいることにした。

秋葉原と言えども、紳士的な人ばかりとは限らない。

ほんとに、俺よりもガチのロリコンがいるかもしれないしな......。

ゆあの後ろ姿は、どことなくお姉さんっぽい感じがあると、俺はゆあの後ろ姿を見ながら思った。

内気な性格も、いつかは誰とでも話せるような子になれるといいんだけどな。

「これどう?」

ゆあが本を選んで数分。

「これは?......これって、同人モノなんだけど......」

「ん、分かってる」

分かってやってるのかよ!?

「いや、その......俺は、その本買えないんだけどなぁ......」

俺は苦笑いをしながらゆあに言う。

「なんでー?」

かわいい顔しながら言ってきやがる......分かってるくせに。

「............ええとその――」

「悠真さん見つけてきました!」

俺が言いかけると、後ろの方から俺を呼ぶ声が聞こえた。

見ると、朱莉が持っているカゴには、いくつかのラノベが入っていた。

「あ、ありがと.......」

俺は朱莉からカゴを受け取ると、ゆあはその持っていた本を元に戻しに行った。

「ふぅ......どうなるかと思った......」

あのままゆあにねだられたら、俺はさすがにその本を買ってしまうだろう。

でも、俺は18ではない。17歳だ。

まあ、そのことはもういいだろう。

「あははっ、私分かってて言ったんだから。お兄ちゃんは、17だったことを」

やはり分かっててねだってきたのか......なんか、小悪魔系になってきたな。

「悠真さんは、ゆあと何してたんですか?」

「えっ?あ、いや......その、ゆあにも欲しい本とかあるのかなって話してただけだよ」

「あ、そうなんですね。それじゃあ、悠真さんにお金渡すので、買ってきてくださいっ」

「分かった」

俺はそのカゴに入ったラノベを買うべくレジへと向かい、すんなりとそのラノベは買えた。

そして俺は、朱莉とゆあと一緒に買いたい物を探していった。











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