第3話二人はまるで、、

 私の名前はミャウ。

 ミャウ・エンヴィだ。

 この家に拾われて早一年。

 裕福な暮らしにも慣れてきた。

 がその分良からぬことも思い出す。

 私は拾われてきた身で、本当なら今頃この世にいない。


ザァザァザァザァ


ミャァ


ザァザァザァザァ


ミャゥ


ザァザァザァザァ


ミャッ


ベシャッ


「止めて」


パタン


「どうしたの?こんなにドロドロになって」


ミャゥ

ダメですよ。そんなキレイなお召し物で、、


「心配しないで。ありがとうね」


 あの時は何も思わなかった。

 まさか聞こえていたなんて。

 ただ単にタイミングがあっただけだと思っていた。

_でも。


「どうしたのミャウ?今日は随分センチだね」

 私の髪を梳かしながらマリィさんはいつも通り心語を読みとって会話をしてくれる。

 最初は怖いし、嫌だし、気持ち悪かったけど、、


ギギギギ


ミャッ


 痛い痛い痛い!

 引っかかってますよ!

 今は安心できるんですってば!

 痛たたたた!

「ホントに?」

 そんな泣きそうな顔しなくていいじゃないですか。

 私はマリィさん、クミ、、さんのこと大好きなんですから、、

「ありがとう。そうだなぁやっぱりクミがいいや」

 そう言ってくれるのはミャウだけだよ。と私を優しくトリミングしてくれるクミさんは泣きそうな顔をしていた。


 理由は聞かなくてもわかる。

 だからここはあえて言わないでおく。

「ミャゥ」

 しおらしく鳴いて流しておいた。


 お風呂からあがって私達はゆっくりしているところだ。

 一部を除いて。


 主人、まだ落ち着かないのか?

「ボクだって男だよ?あんなことされたら」

 まともに喋れそうにないのでここは私が説明を

「するな!」

 しかしクミ、説明しないと読み手には伝わらないぞ?

「私生活まで伝えなくていいよ」


 そうですよ。

 あんなこと伝わらない方がいいです!


_では頭に浮かべるだけにするか。

あの後平たく言えば主人はクミに抱かれた。

抱きしめられたのだ裸同士で。

やってるクミも恥ずかしそうだったが、そこが風呂ということもあり違和感は緩和されていた。

だが、お互いの体が擦れ合うのに際して色々と隠し切れないものがありその触感に、クミは主人の逞しい筋肉質な感覚を、主人はクミの柔らかい質感と温もりに堪えきれなくなった二人はどちらからともなく体を離したという次第だ。


 先輩?何か考えてませんか?


 別に考えることなどいくらでもある。

 それくらいは構わないだろう?

「ふーんそれで隠したつもりなんだ?」

 あ、やっぱ聞こえてる?

「別にいいよ恥ずかしいけどちょっと嬉しいし」

 伝わるのがか?

「そ。私がエリィのこと大好きだってことも伝わるし」

 何も「番になるばかりが全てではない」

んだしね?ミャウ?


 クミさん。

 私のこともわかっててくれたんですか?

「当たり前。飼い主じゃない私?」

 忘れてなどいません!

 クミさんは、マリィさんは、私生まれ変わっても一緒にいたいです!

「ありがと。良しその時女の子だったら女子会しようぜ?」

 受けて立ちます!

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